夢

　夢と現実の最大の違いは、時間と空間のはしょりである。

　現実では、体感差はともかく、絶対に時間がはしょられる事はない。また、空間も融合したり瞬間移動しない。

　それをするのが夢であり、夢の中での時間は行ったり来たりで早送りに遅送り。また、場所も一カ所にとどまれず、場面転換がはげしい。

　そういう夢の感覚を上手に書いたのが筒井康隆で、本当ならあり得ない無限に続くお屋敷のイメージを最初に描いたのは彼ではなかろうか？

　建物の中が、まるごとひとつの街というイメージは吾妻も描いているが、筒井の影響によってであろう。

どうよ？

シンデレラ

　シンデレラは死んでらぁに音が近い。
　シンドラーも死んでらぁに音が近い。
　でも、シンデレラとシンドラーじゃぜんぜん違う。
　靴とリストくらい違う。

　また、シンジケートはシンジけっーたに音が近いと思う。
　シンパシーはもろ新橋だと思うし、シーイングはしーん行ぐに近いな。
　シンドロームは震度ろーむに聞こえるが、ろーむが何かは俺には分からない。たぶん、オウムのたぐいであろうと思われる。

金曜の朝

　薄い雲が空を覆い星は見えない。ラグビーボールみたいな月だけが薄ぼんやりと雲を透かして輝いている。風は弱く、寒さはそれほどではない。駅に乗客の姿は少ない。