墨汁日記

墨汁Aイッテキ!公式ブログ

電話にでんわ

2006-08-13 22:09:06 | 駄目

 親父が退職金を頭金にして、年金でローンを支払っているマンションに、俺は親と同居している。
 ところで、このマンションは1所帯の各部屋に電話回線のモジュラーがあり、どのモジュラーにも電話を繋げるようになっている。
 おかげで、居間に1台、妹の部屋に1台、俺の部屋に1台とうちには電話機が3台もある。だが、電話回線の契約は1契約きりなので、3台同時に電話はできない。どれか1つの電話を使用中のときは、他の電話からは電話がかけられないのだ。

「お兄ちゃん、電話」

 妹が、居間の電話を取り、部屋で寝ていた俺に友人からの電話だと知らせた。

「あぅたー(あーわかった)」

 時計を見ると、午前10時40分。
 今日は昼前に友人と会う約束をしたが、少し早くねーかと思いながら、自分の部屋の電話の受話器を取る。
 受話器を取るとノイズがすごい。居間の電話の受話器と、俺の部屋の受話器が干渉してガーガーピーピーいってる。ノイズごしに友人の声が聞こえる。

「どうも、おはようございます」

「どぉも、おはよぉござぃぁす」

 言うことも思いつかないのでオウム返しに言葉を返す。

「そろそろ、家を出ようかと思いましてね」

「あぅぁー」

 どうやら本当に来る気らしい。来るなら来やがれ。

「じゃあ今から行きますので、それで・・・・・」

 

グワチャン!!

 ものすごい勢いで受話器を切る音が聞こえた。
 うちの妹が、居間の電話の受話器を切ったのだ。
 電話は3つだが、回線は1つなのでどの電話も同調している。
 雑音さえ気にしなければ3人同時に同じ相手と通話する事も可能だ。

 うちの妹が受話器を投げ捨てるようにして居間の電話を切った。
 それだけの事だったんだが、友人にはリアルな電話を切る音に聞こえたらしい。まだ俺は繋がってんのに、すでに電話先に友人はおらず受話器は「ツー・ツー・ツー」といっている。
 居間の電話を切る音を、俺が電話を切った音と早とちりして、友人はとっさに電話を切っちまったらしい。
 あぁーめんどくせぇなぁ。

「もっと静かに受話器を置けよ!」

 妹にそれだけ言って、これ以上はクドクド言うまいと自分に言い聞かせ、居間の電話で「着信履歴」を調べようとしたが、ふだん使わない電話なので使い方が分からない。親父に聞いたら「書いてあるだろ!」と怒られた。あぁ、確かに「着信履歴」と書かれた小さいボタンがある。
 友人は、どっから電話してきたんだろう。アパートか、実家か、公衆電話からか? 信じないかもしれないが、友人は「携帯電話」を所有していない。そういう男なのだ。

 友人からかかってきた番号に電話すると、聞きおぼえのある友人の母親の声が聞こえた。実家から電話してたのか。

「あの、内山ですけど、間違えて電話を切ってしまったようで・・・」

 こちらの電話回線の都合を説明するのも面倒くさいので、そう言うと、たったいま友人は家を出たとの事。
 あー、待ち合わせの場所も決めてないのに家を出たんだ。早とちりな上にせっかちだ。

 うちのマンションはオートロックで部外者は勝手に入れない。それで、今までは待ち合わせ場所を決めてむかえに行っていた。
 携帯があるなら「いま着いた」でむかえに行けるが、ないから待ち合わせしか方法がない上に、待ち合わせのポイントは2ヶ所ある。さて、どっちで待っていれば良いものだか。友人はどこへ行くのもチャリなので、到着時間も読みにくい。それに、いきなり電話を切られたと怒っているかもしれない。

 まるで創作のような話だけど、ほとんど事実なので俺はめんどくさいのだ。


ダニ兄妹

2006-08-13 20:40:30 | 駄目
 今日は、友人が遊びに来る。
 人が来るとなると、なんだか朝から落ち着かない。
 来るまでにアレとコレを片付けておかないとな。あっちに手をつけこっちに手をつけ、まとまった事も出来ずに慌ただしく時間ばかりが過ぎさるので面倒くさくなって昼寝をしていたら、友人から電話がかかってきた。

「お兄ちゃん、電話」

 妹が、居間の電話を取り、部屋で寝ていた俺に友人からの電話だと知らせた。

 ちなみに、うちの妹は俺の4つ下で、俺と同じく「パラサイト・シングル」である。いわゆる「ダニ兄妹」だ。
 しかし、兄妹のうち片方だけがパラサイトしているなら本人の問題とも言えなくもないが、兄妹そろってパラサイトってのは、もはや本人だけの問題を超えている。ようするに親の教育が悪かったのである。パラサイトなガキしか育てられなかったうちの親の教育が間違っていたのだ。
 パラサイトなガキしか育てられないのだからガキにパラサイトされちゃうのは極めて当然であり、はっきり言って「自業自得」である。俺はなんにも悪くない、パラサイトになるべく親から教育を受けたと胸をはる。