墨汁日記

墨汁Aイッテキ!公式ブログ

テレビ

2005-09-07 22:13:25 | 駄目
 テレビは見ない。
 高校卒業して、新聞屋に所属してから現在に至る間というもの、まともなテレビ番組はほとんど見ていない。観るのはアニメだけだ。最近はアニメも観ない。とうとう寒々しさがアニメにまで伝染しはじめてんなとは思っていたが、生身じゃないだけアニメは、それでも楽しかった。
 特に脚本のないライブは辛い。本のないお笑いと、本があっても足が根についてないニュースは辛い。最近それでもわずかに評価できるのは侍か。俺の分も親父がテレビを見ていてくれるから、俺がテレビを見る必要もないだろう。
 話題について行くつもりもないし。そもそも、俺が本気で飛ばしたら木村以外は誰もついてこれない。


徒然草 第四十四段 <感想>

2005-09-07 21:12:58 | 徒然草
 まーた、兼好はストーカーまがいの行為を行為してら。
 覗きの後は、尾行である。手に負えない、かばいようがない。こうなってくると兼好の趣味はストーカーと断定せざるえなくなる。せいぜい好意的にあつかって、好奇心の強い暇人(不審者)である。まー、でも。もうしばらくだけ様子を見てみるか。


徒然草 第四十四段 <意訳>

2005-09-07 20:58:54 | 徒然草
 あばらやとも思えるほどの荒れた屋敷から誰かが出て来た。
 粗末な竹の網戸の中から出て来たのは年わかい男で、月明かりのなか色合いまでは定かでないが、艶のある狩衣に、濃い色の袴。童子ひとりをささやかな供として、田んぼの長い一本道を笛を吹きつつ歩き出した。
 刈り入れも近い稲穂の露に濡れながら歩く男の笛の音は、感心するほどのうまさで、男の育ちの良さを想像させる。どこのだれなのだと興味を抱いて、距離をおいてついて行くと、山際にあるお屋敷の門の中に入って行った。
 こんな山里には珍しく、牛車が停められている。屋敷の者に聞いてみると、この屋敷では現在、仏事が行われているらしい。
「偉い皇族の方もいらっしゃって、法事をなさってるんや」
 男の言う通り、こんなへんぴな山里では考えられないほど香の薫りが屋敷中に漂っている。
 屋敷の中を見ると女房たちが慌ただしく香をたき、廊下を移動している。法師も御堂に集まっている。
 庭に目をやると、小川がのどかに流れ、夏の間に気ままに生い茂った草木は露に濡れ、虫は死者を悲しみ鳴いている。
 空を見る。雲は都より速く流れるようだ。晴れとも曇りとも決められないほど雲は速く流れ、月がちらちらと見え隠れする。


徒然草 第四十四段 <口語訳>

2005-09-07 20:56:09 | 徒然草
 あやしの(粗末な。あるいは、賤しい身分の者の家の)竹の編戸(あみど)の内より、いと(とても)若き男の、月影に色あい定かならぬが、つややかな狩衣(かりぎぬ)に濃い指貫(さしぬき・貴族のはかま)、いと(とても)故づきたる(由緒ありげ)様子にて、ささやかな童(こども)ひとりを具して(お供にして)、遥かなる田の中の細道を、稲葉の露にそぼち(濡れ)つつ分け行くほど(あいだ)、笛をえならず(“うまくない”という意味にもとれそうなのだが、“上手く”という意味。“え”は良いと言う意味。“うまくなくない”というまわりくどい表現だ)吹き遊んでいる、『あわれ』と聞き知るべき人もあるまいと思うに、行かん方(行く先)知らまほしく(知りたく)て、見送りつつ行けば、笛を吹き止めて、山のきは(際)に惣門(正門)のある内に入った。榻(しじ・牛車の先についた二本の棒、ながえをおく台)に立てた車の見えるも、都(京)よりは目止る(目につく)心地(気持ち)して、下人に問えば、「しかじかの宮(とある皇族)のおわしますころにて、御仏事など(死者の供養)さうらうにや(なさってるんや)」と言う。
 御堂(仏間)の方に法師ども参って。夜寒の風(夜の冷たい風)に誘われてくるそらだきもの(香)の匂いも、身に沁(し)みる心地(気持ち)する。寝殿より御堂の廊(廊下)を通う女房(下女と言うと風情はないが、女のお手伝いさん)の追風用意(屋敷中に香の薫りをただよわせる事らしい。貴い人が風上にいたとしても、その体臭を周りにいる人々に感じさせぬよう、屋敷中に香をたきこめた事らしい)人目なき山里とはいえ、心遣いしている。
 心のままに茂っている秋の野ら(邸内に気ままに生えている草木)は、置き余る(こぼれるほど)露に埋もれて、虫の音かごとがましく(うらみがましく)、遣水(庭園の川)の音のどかである。都(京)の空よりは雲の往来(ゆきき)も速い心地(気持ち)して、月の晴れ曇る事は定め難い。


徒然草 第四十四段

2005-09-07 20:54:29 | 徒然草
 あやしの竹の編戸の内より、いと若き男の、月影に色あひさだかならねど、つややかなる狩衣に濃き指貫、いとゆゑづきたるさまにて、ささやかなる童ひとりを具して、遥かなる田の中の細道を、稲葉の露にそぼちつつ分け行くほど、笛をえならず吹きすさびたる、あはれと聞き知るべき人もあらじと思ふに、行かん方しらまほしくて、見送りつつ行けば、笛を吹き止みて、山のきはに惣門のある内に入りぬ。榻に立てたる車の見ゆるも、都よりは目止まる心地して、下人に問へば、「しかしかの宮のおはします比にて、御仏事など候ふにや」と言ふ。
 御堂の方に法師ども参りたり。夜寒の風に誘はれくるそらだきものの匂ひも、身に沁む心地す。寝殿より御堂の廊に通ふ女房の追風用意など、人目もなき山里ともいはず、心遣ひしたり。
 心のままに茂れる秋の野らは、置き余る露に埋もれて、虫の音かごとがましく、遣水の音のどやかなり。都の空よりは雲の往来も速き心地して、月の晴れ曇る事定め難し。