木工挽物という仕事

基本的には時代遅れの仕事
正反対の位置にいるブログから発信してみます
でもブログも先端じゃなくなりましたね

その座り姿

2018-05-27 00:13:44 | タイムマシン
19歳から24歳ころまで地元の文化センターで茶道をしてた
実にいろんな人を見ることが出来たと思ってる
当時の僕から見た叔母さんから同年代まで女性が多いのだが
その他にいる男性との付き合いも若かった僕にとってはいい経験だったと思っている

でもここで男性の話をしても面白くないので、印象的だった女性のことを少し
僕が20歳から22歳のころだったか同じ教室に実に美しい女性が来ていた
3・4歳年上の彼女の立ち振る舞いがその容姿以上に素晴らしかった
恋愛感情を持つという事さえ恐れ多い感じでただただ目の端で光り輝くその人が眩しかっただけ
それでもそこでは黒一点だった僕は大事にされていて叔母さま方達も同年代以下の人からも
そしてその人にもやさしくされていた記憶がある

この人Rさんのことをふと思い出したのは「西郷どん」を見ていた時だった
西郷どんは一度結婚してその女性が彼の家族とも馴染まなくてやがて離縁することになる
ちょうど江戸への呼び出しを受けた直後でそのための支度金に困りあちこち金策するが
思うようにならなかったとき
里帰りしていた嫁とその父親が来て手切れ金だと言って小判を置いてゆく
そのシーンを見ていて思った
嫁の座り姿がRさんにそっくりで
とてつもなく美しかった
こんなに綺麗に正座する人を久しぶりに見た気がした
物語上ここまでの彼女は「いけ好かない女」である
それが「すみません離縁してやってください」と頭を下げる父親の隣でこんなにも美しく座っていた

帰り道「ほんなこてこれでよかったとな?」と問う父親に「私はあげなやさしか男は見たことがございもはん・・・にっぽん一の婿殿をこっちから離縁してやりもした」と泣いた
いけ好かなかった女はいい女でこの物語から姿を消した

Rさんはそのお隣の熊本へお嫁に行きました
きっと今も幸せでいることでしょう
それ以外は考えられないのです。


「西郷どん」 8話 「不吉な嫁」
https://www.youtube.com/watch?v=NhKl_ZIO-po
3:30辺り

コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする