木工挽物という仕事

基本的には時代遅れの仕事
正反対の位置にいるブログから発信してみます
でもブログも先端じゃなくなりましたね

暗黙の了解

2012-10-31 23:17:18 | 仕事
もう何か月か前に和尚さんが来られて都合のつく時でいいから数珠玉を作って欲しいと言われた
その後2mの長さの25mm角の材料を持ってこられて、3か月くらい経った今月の初めに試作として600個ほど作って納めた
ところがこの仕上がり具合がお気に召さなかったようで返ってきた
今までうちの知り合いの木工所で一個25円で作っていたそうでそれに合わせようとすると出来るだけ手間を簡素にしなくてはならない
普通の玉に一か所貫通穴を付けて切りっぱなしでいいなら10000個単位なら何とかなるかも
と思っていたがその穴に直角に2段穴をあけなくてはならない
つまり数珠の元に根付を付けるための纏まりの一個なのだ
こうなると25円ではうちでは到底無理
ただしもっと環境の整った工場ならできるかもしれない
返ってきたのをまともにするのは出来ない技じゃない
ただしもうひと手間かかるから10円から15円コストが余分にかかる
25円を期待したお客様には申し訳ないけど他所を探していただくしかない

結局返ってきたのをひと手間かけて満足のいくと思われるようにしてからもう一度納品しました
多分倍くらいのコストがかかってしまいますから申し訳ありませんがうちでは対応不可能ですとお詫びして

でも実は最初の納品の時に2日と半日ほどかかったので その手間賃を3万円として請求した
そのことも相手には不満だったらしく 25円って言ったのに
という心が見えたのですが 何事も最初の調整にはコストがかかるのでと説明したら
そのことは納得いただけた
じゃお金はすぐ送るから と言われたのだが逆に今度は僕の方の気が済まなかったので
商品を受け取ってそれでよかったら送金してくださいとお願いし直した

でさっきのようにやってみたらコスト的に太刀打ちできなさそうだったので
この2日半(+修正手間1日弱)の手間賃を放棄
25円×使用可能な玉の数に消費税を付けて数が把握できた時点でお送りください
と書いて昨日発送した

今日電話がかかってきた
品物はOK 
でもあんたが言うような支払い方は悪いから前の請求書通り送ります
いや、仕事を受けるつもりで調整分の請求をしたまでで仕事が受けられないのにそれだけいただくわけにはまいりません と応酬
したつもりだったのに・・・
さっそく送金してくれていた
電話で一応礼を言った

仕事してると人対人の暗黙の了解というものがある
日本人同士だとそれは特にあると思う
たとえ100個分の2500円しか送ってもらえなくても了解せざるを得ないしそうするだろう
でも相手はきちんとこっちの言い分を認めてくれて対応してくれた
これでもう一応終わるかもしれないけど向こうも僕もお互い切れずに終われたということだ
またいつか繋がらないとも限らない
お酒の1本でも送ろうかと考えている・・・

コメント (4)
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