木工挽物という仕事

基本的には時代遅れの仕事
正反対の位置にいるブログから発信してみます
でもブログも先端じゃなくなりましたね

人形店の憂鬱

2008-06-30 17:43:26 | Weblog
なんて生易しいものじゃないかもしれない
先週火曜日の夜お客さんが製品を取りに来てくれた
もともと同業者だったのだが人形店に特化し挽物以外の木工製作と塗装で長いこと商いを成立させてきた
引き渡しの時いつも元気いっぱいな人なのにちょっと様子が変
「どうかしたの?」大先輩に対してだがタメ口
「うん また先週末お客が一軒手を上げさした(倒産した)」
「え~~ 被害あったの?」
「うん 手形で100万位・・・」
Yさんとこは去年も2件倒産にあった
一つは直接被害はなかったらしいのだが・・
僕も長いことやってきて少し被害にあったことはある
30万くらいの一件15万位の一件 前者はつぶれたんじゃなくてのらりくらりと逃げやがった 後者は倒産
廃業する人は何軒かあった これはお金の被害はない
Yさん一度連鎖倒産したことがある もう25年くらい前の話だ
かつて月に数百万の売り上げを誇っていたY木工 今は百万前後に落ち込んでいるらしい
その中での100万からの不渡りは自分の所に入ってこないっていう意味だけじゃなくて即百万を作らなくてはならないという事
つまり手形というのはお金として材木店なり金融機関へ支払ってしまっているからです
これが突然お金じゃなくて紙切れに変わる よって本物のお金を即用意しなくてはなりません
(手形をただ持ってて紙幣に変わるのも待つだけの余裕があればいいが 普通はお金として支払ってしまう
 紙幣に変えようとすると手形がお金になるまでの期日分の金利を差し引いての現金になります)
たった一人になった従業員さんの退職金を取り崩して(一度退職してもらって即再雇用)現金を作って充当したそうです
Yさんはついてない お金が入ってくるのにもっと出てゆく
「人形屋以外の仕事をしてはどう?」
「ワシの仕事では通用せんでいかんわ」
人形の仕事は雑でいいと思ってるようだ
僕らはいろんな業態に関わってて雑貨・楽器・仏具神具・人形・家具・建築部品・・・
それぞれに特徴がある
ここで一概に言うわけにはいかないが 本当のところYさんの生きる道はあると思う
人形は厳しい・・
子供が少ない 家庭環境が人形には逆風
例えば狭い家 核家族 伝統無視 数えだしたらきりがないほど
これは自分も含めての話だ
つい先日も息子が
「オレが生まれた時に買ってもらった人形 ケースも含めてだけど捨てちゃいかんのかな?」
と言う
皆さんのお宅はどうでしょう
人形屋さんで買った人形いくつくらいありますか?
クレーンですくったぬいぐるみはいっぱいあるかもしれないけどね
コメント (12)
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