スウェーデン生活+その後

2010-2013年スウェーデンに在住し帰国。雑記、鳥・植物の写真
*海外情報はその当時のもの。
*禁無断転載

中立国

2011-12-26 23:24:09 | 考えてみたこと
北朝鮮関連の話題が少し出たついでに。スウェーデンは中立国として有名である。
北朝鮮関連ニュース
北朝鮮関連ニュースその2
第二次世界大戦でも中立を貫き、またストックホルムの戦争博物館に行けば、中立国の立場を利用してドイツからユダヤ人を助け出した外交官、ラウル・ワレンバーグ(Raoul Gustaf Wallenberg)
Wikipedia「ラウル・ワレンバーグ」
の仕事を大きくコーナーを使って展示している。それはそれで素晴らしい事だし、別に文句を付けるつもりは無いのだが、何だか引っかかる感じがどうしても抜けない。本当に中立って素晴らしいのか?どうなんだろう?
第二次世界大戦当時、ドイツは電撃戦でヨーロッパを席巻した。だがドイツの産業は今も昔も原材料の殆どを輸入に依存している。兵器を作るに当たって、石油はルーマニアからの輸入に依存していた。では鉄鉱石は?スウェーデンである。スウェーデン北部のキルナ(Kiruna)には世界最大の鉄鉱山があるのだ。ただバルト海は冬期になると凍結してしまう為、山脈を超えてノルウェー側に運び、不凍港であるナルヴィク(Narvik)に持ち出し、そこから船で運んでいたのだ。第二次世界大戦勃発後、ドイツはこのナルヴィクが連合国側の手に落ちる事を防ぐ為にノルウェーに侵攻を開始する。ノルウェー側にはイギリス軍も加勢し、激戦が繰り広げられる事になる。スウェーデンはどうしたか?当然参戦などしない。中立を守る為、である。しかしこの時にはイギリスに睨まれる事を防ぐ為、ドイツに対して偽装開戦の準備もしたのである。本気でドイツに戦いを挑む気があるなら、開戦ではなく鉄の輸出を止めれば済んだ筈である。結局第二次世界大戦を通じてスウェーデンの鉄鉱石はドイツの軍需産業を支え続けた。
同様の事例はソ連・フィンランド戦争(冬戦争)の時にも見られる。ソ連が領土割譲を求めて参戦したのに対し、フィンランド軍は思いの他に善戦、ソ連軍を一定の時間食い止める事に成功する。国際世論はフィンランドに同情的で、連合国はフィンランドへの援助を検討するが、スウェーデンは自国内を他国の軍隊が通過する事を拒否する。中立を守る為、である。フィンランド軍とソ連軍の戦力差は圧倒的で、放置すればフィンランド軍が敗退する事は明白であったにも関わらずである。結局戦争は損害を払いつつもソ連の勝利で終わる。
日本では中立国スウェーデンというイメージばかりが先行している印象を受けるのだが、別に盲目的に国際法を順守している訳ではなく、ちゃんと国際的な力関係を計算した上で行動しているように見受けられる。しかし、これを隣国として戦争の真っ最中にあるフィンランドやノルウェーの側から見たら、たまったものでは無いであろう。現在でもこれらの隣国には、スウェーデンの行動は必ずしも快くは思われていない節がある。
知り合いのスウェーデン人に聞いても、「スウェーデンは第二次世界大戦中、チキンとして振る舞った」とはっきり言っていた(ちなみにフィンランド系のスウェーデン人である)。もちろん、見方を変えればこれでスウェーデン政府は自国民を戦争の災禍から守れたのだから、これはこれでありな戦術なのだとは思うが。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

キャベツ

2011-12-26 16:37:23 | スウェーデンの食品
これからスウェーデンで生活する方へ。野菜のキャベツについての注意である。
冬場にスーパーマーケットに行くと、キャベツにはspetskålと書かれたものとvitkålと書かれたものの2種類を売っている。Google翻訳にかければ何れもcabbage、キャベツと訳されるので同じなのか?と思ってしまう。そして形状を見れば、vitkålの方が一見日本のキャベツに近い様に見えるのに対し、spetskålは写真の様に先端が尖った奇妙な形をしている。これなら、とりあえずはvitkålの方を買っておこう。。。と最初は誰でも思う。
結論から言えば、vitkålはスジが多く、いくら煮込んでも柔らかくなってくれない。多分酢漬けで漬け込んだりするのには良いのだろう。普通に日本人の食卓に使うキャベツであれば、写真のとんがりキャベツ、spetskålを選んだ方が無難である。一応豆知識として。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

日の出と日没その29

2011-12-26 16:15:25 | スウェーデン生活情報
遂に冬至を過ぎた。日の出は午前8時50分、日没が午後2時50分頃である。確認すると一日一日確実に日没の時間はわずかずつでも伸びて行っている。あまり寒くないことも相まって、(ちょっと大げさだが。。)将来への希望を感じさせる。写真は本日午後3時40分頃の光景。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする