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スウェーデン生活+その後

2010-2013年スウェーデンに在住し帰国。雑記、鳥・植物の写真
*海外情報はその当時のもの。
*禁無断転載

優先

2021-07-31 23:42:54 | 考えてみたこと
その昔、慶長の役で加藤清正が蔚山城に立て籠もって籠城した時のこと。城内には食料が不足し、冬の寒さとも相まって城内は飢えと寒さで絶望的な状況となる。
ただ加藤清正にとって決定的なアドバンテージとなっていたのは鉄砲であった。当時の火縄銃はヨーロッパから日本に渡来して、戦国時代の日本で性能・運用とも大きく進化を遂げており、これを持っていなかった明・朝鮮の連合軍にとっては重大な脅威となっていた。攻め手の明・朝鮮軍は激しく城に向かって攻め寄せるが、その度に城内から鉄砲の激しい射撃を受けて攻撃は頓挫した。
しかし城内の方は城内で次第に追い詰められていく。何といっても食料が無いものはどうにもならぬ。加藤清正はこれを受けて決断する。食事の準備が出来ると、他の兵士を全て後回しにして、鉄砲の射手に優先的に食べさせたのである。
Wikipedia「蔚山城の戦い」

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平時には組織の構成員に平等に接する必要があるし、そうしなければ不平不満が出るのは当然である。だが非常事態において、重大な部分を任される構成員には、それなりに「勇敢に戦うことのメリット」を分かりやすい形で示さなくてはならない。他の兵士の食事が後回しになっても、- - それは仕方ないと思われる。それが非常時というものであろう。

深く

2021-07-03 02:26:16 | 考えてみたこと
趣味について、かつての白洲正子が言った一言「何でもいいから一つ、深く井戸を掘れ。そうすると地下水脈にたどり着き、そこから色々なものが見える」、これはその後も妙に心に残っていたが、
白洲家の人々 娘婿が見た次郎と正子
これは人間関係でもそうではないか、という気がする。仕事の上での信頼関係の作り方、情報網の広げ方というのは結局これに尽きるのではあるまいか。誰かと徹底して誠意をもって付き合い続けると、そのうちにまたそれが別の人脈を呼ぶ、という事態は確かにあり得ることである。誠実に長く付き合い続けて、それが別の扉を開く日が--来るかもしれない、そうなると良いのだが。
長く

コルニーユ親方の秘密

2021-06-12 03:38:46 | 考えてみたこと
フランスの作家、ドーデの短編集に「風車小屋便り」という本があって、その一つに「コルニーユ親方の秘密」というのがあった。かなり記憶は怪しげであるが、以下のような話。(違う点があったらご容赦を)

―あるところに風車小屋の動力を使って製粉業を営んでいるコルニーユ親方という名の男性がいた。近くの農家は長年、その親方の元に小麦を持って行っては製粉してもらっていた。ところがある時近くに大きな製粉工場が建設される。農家はみな工場に作物を持ち込むようになってしまう。親方はことあるごとに製粉工場の悪口を言い、何とか仕事を確保しようとするが上手くいかない。ところが、仕事はない筈なのに小屋の風車は今までと同じように回り続けている。ある時、子供が小屋に忍び込み、小屋のうすの中で挽かれているのは小麦ではなく壁土であることを発見する。気の毒に思った農民たちはもう一回親方のもとに小麦をいくばくか持ち込むようになり、親方は再び幸福に仕事をする。やがて親方は死に、風車小屋も時代の波に消えていった。

新美南吉の「おぢいさんのランプ」とどこか似通っているが、おぢいさんのランプの場合、最後は踏ん切りをつけて新しい時代に向かっていったが、こちらは新しい時代に適応できずに終わるところが異なる。
「年をとってから新しい時代に適応する」ということが、洋の東西を問わず永遠のテーマであることは間違いないのだろう。恐らくは同じ問題が自分にもいずれ(既に?)降りかかって来る。チャレンジ精神を失うことなく柔軟に立ち回れるかどうかがカギだろうが、年をとるほどそれは難しくなるだろう。自分はどう反応するのであろうか。
Wikipedia「風車小屋だより」
おぢいさんのランプ

途中で

2021-05-22 22:26:44 | 考えてみたこと
何冊か読書をしているが、読んでいるうちに「なんだか、この著者の言っていることと合わないな」と感じると、途中で読むのをやめてしまうようになった。それが2冊くらい続いている。昔は「せっかく買ったのだから、最後まで読もう」と思っていたのであるが、最近はダメである。合わないと感じたらそこでやめてしまう。
人間関係でも似たような感じがあるかも知れない。仕事なので「この人と合わない」と感じてもそれを表に出すことはない。仕事中では打ち解けた感じで喋れるし、冗談を言って相手を笑わせることも出来る。でも「合わない」ものは合わないので、職場の外でそれをしなくても許されるだろう。別に誰が悪い訳でもないし、そういうものだと思うしかない。これが中年というものなのか。そう言えばアンジェラ・アキさんの「手紙」という曲に「大人の僕も 傷ついて 眠れない夜もあるけど 苦くて甘い 今を生きている」という歌詞があった。
Wikipedia「アンジェラ・アキ」

ある老人から

2021-05-15 19:54:52 | 考えてみたこと
ある高齢の方と話をして。その方は若いころ会社勤めをしていたが、正義感が強く上司と衝突することしばしばで、ついに会社を退職してしまった。その後一人で会社を立ち上げ、見事に軌道に乗せて成功し、従業員10数人ながら安定した経営を成し遂げた。その方曰く、「いやー、最初の頃は得意だったよ。若くて社長になって、自分の城をもって成功したんだから。でも年とってくると、そういう感想はなくなっていくネー。仕事なんて食っていくためのもんだよ。社長になっちゃうと、今度は従業員に対しての責任ってのが半端じゃないから。大変だよ。仕事は自分と家族を食わせていくためのものさ。地位に対してのこだわりとか、若いころは凄くあったけど、今はもう何にもないね」とのこと。これも含蓄のある言葉である。

手塚治虫とさいとう・たかを

2021-04-29 01:55:28 | 考えてみたこと
漫画に詳しい人から教えてもらったこと。

―手塚治虫とさいとう・たかをはいずれも漫画界の巨匠であるが、その仕事の仕方は大きく異なる。手塚は極度のワーカホリックで、原稿を大量に描くことで知られていた。画の技術も抜きんでていて、「ほぼ完全な正円をフリーハンドで書けた」というのは有名な話である。ただ仕事を一人で抱え込んでいく傾向があり、一日の平均睡眠時間は4時間程度だったと言われている。これに対してさいとう・たかをはかなり早い段階から「仕事を分業制にしなくては長続きしない」ということを見抜いていた。真偽のほどは知らないが、一部の噂では「さいとう・たかを本人が書くのはゴルゴ13の目の部分だけ」とも言われている。原案・構成・作画など、多くの部分を別々の人が担うことで一人一人の負担を減らすことに成功しているのだ。スタッフの待遇や給与にも気を配ることで、皆の満足度を上げることにも成功した。結果としてどうなったかと言うと、手塚は60歳ちょうどで病死してしまった。さいとう・たかをは80歳台半ばの今でも現役である。
Wikipedia「手塚治虫」
Wikipedia「さいとう・たかを」

これは何事もそうであろう。まず作品に集中するか、それとも組織を作り上げて、そのあとに継続して作品を作り出すことに集中するか、の違いである。もちろん綺麗に2択できるものではないし、場面場面でどちらを選ぶか、という問題もある。難しい選択ではあるが、出来るだけ後者になるようにして行かないと、長続きしないのも事実であろう。

危機のあとは

2021-01-29 23:51:58 | 考えてみたこと
小説「風と共に去りぬ」のレット・バトラーのせりふに「苦労は、人間をつくるか、壊すか、どちらかだ」というのがある。これは人間だけでなく、組織にも当てはまるように思う。危機に当たって組織がたどる道は二つ。「雨降って地固まる」で前よりも結束が強くなる道が一つ。もう一つは――「危機に当たって、内部の問題点が噴出し、最後は空中分解する」という道である。自分たちの組織はどちらになるのだろう。今はあまり考えたくないが、何とか(少しでも)前者に近い着陸を出来るように頑張って行きたい。
Wikipedia「風と共に去りぬ」

旅行番組

2021-01-05 23:38:37 | 考えてみたこと
帰宅してぼんやりテレビを見ていると番組が切り替わる。「世界の車窓から」である。
Wikipedia「世界の車窓から」
何とはなしに番組に引き込まれてしまった。昔、自分が病気になって入院した時、同じように旅行番組に引き込まれた記憶がある。海外旅行の番組だけでなく、当時の国内旅行というか「近郊の散歩」のような番組(たしか「ちい散歩」だったと思う)も色々と見て時間を潰していた。
結局人間「今、出来ないこと」に引き込まれるのであろう。昨年は1年、ほとんどどこにも出ずに過ごすことになった。こうなると外への旅行に何となく憧れを抱く。いつか無事に国内をあちこち出かけられる時が来ることを信じて。

1週間おきに

2020-11-12 00:05:46 | 考えてみたこと
金曜日に「来週何をするのか、何の予定があるのか」を書き出した紙を作って、同僚と時間をかけて協議しようと思っている。その紙をどうするか、時間をかけて考えてみている。年齢が上がり、無理が利かなくなってきているのであるから、時間を有効に使うことが大事である。その場合、「来週に何をするのか」を時間を割いて考えるのは、やる価値のある行動だと思う。
忙しいときほど

今あるものから

2020-10-13 23:51:08 | 考えてみたこと
新しいチャレンジについて。以前「できること」で同僚と話し合ったことが結実した形となった。
できること
何度も書くようだが、今現在の状況を打破するには「どこかから助けが降ってくること」を待ち望んでも仕方がない。「今現在、手の中にあるものを見つめなおし、それをどう生かすか」を徹底して考えることが必要である。どんな珍案・奇案でもよい、何か「今現在、手の中にあるもの」の中から探さなくてはならない。それはまた、自分の職場の何が魅力的なのか、どういうところが長所なのか、それを徹底して考え、分からなければ同僚に聞く、後輩に聞く、外部の人に聞く、なんでもよい。「何にも長所がない職場」というのは逆に珍しいものである。何かしら長所を探し出し、それを磨いてアピールしなくてはならないのだ。頑張るべし。
「よかった」探し
県庁おもてなし課