スウェーデン生活+その後

2010-2013年スウェーデンに在住し帰国。雑記、鳥・植物の写真
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2021-08-19 22:57:05 | 考えてみたこと
日露戦争の時のこと。

激戦地として有名になったのが「203高地の戦い」である。その当時、中国の旅順は大規模な軍港であり、ロシア軍の太平洋艦隊の本拠地になっていた。これを日本陸軍は陸側から攻撃する。軍港の湾外には日本艦隊がおり出港できない。日本陸軍の激しい攻撃に要塞は陸側からだんだんに攻略されていく。ロシア側はどうしたか。
「太平洋艦隊の軍艦から、大砲を取り外して陸揚げして要塞に配置し、水兵を陸上戦に投入した」のである。機雷をそのまま陸上げして、日本軍に投げ落とすような作戦も取られたと言われ、ありとあらゆる兵器を有効活用するように工夫を凝らしたのである。
Wikipedia「旅順攻囲戦」
Wikipedia「ロマン・コンドラチェンコ」
のち最重要地点とされる203高地を攻略されると、そこを観測所として日本軍は砲撃を行い、太平洋艦隊の軍艦をほとんど破壊することに成功した--という事になっているが、実際には「大砲も水兵も陸揚げされていたので、この砲撃の前に、既に太平洋艦隊はまともに動ける状況にはなかった」という説が有力である。

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新型コロナウイルス感染症の対応に、多くの病院が受け入れベッドを作って受け入れを続けている。しかしそれでも感染状況はやまず、もはや多くの急性期病院の能力は限界に達しつつある。東京都で自宅で亡くなった方は既に8月だけで7名に達したとも言われ、各病院に「さらに患者受け入れを増やす」という事が強く求められるようになってきた。大体ここまでの経過を見ると重症者がピークに到達するのはこの1-2週間後であり、重症者に対応するベッド数が必要であろう。確かにそうである。
しかし、である。これもまた先の太平洋艦隊と同じことが発生しているのである。「コロナ専用病棟にしてしまったら、一般の救急患者は入院できない」のである。通常の心筋梗塞、脳梗塞などの患者さんは後回しされることになる。現在の東京都の流行レベルに対応できる重症者病棟を準備するなら、他の疾患での受け入れ困難、死亡例は確実に増加する。そのくらいのレベルである。この事について、ちゃんと議論は出来ているのか。テレビを見ても「臨時病院を作る」「重症者ベッドを作る」などの話ばかりであるが、前者ならどこかから医療スタッフを引き抜いてくる、後者は今あるベッドをコロナ向けに転用するわけで、その分他の疾患の対応は不可能になっていく。これについて都民のコンセンサスはちゃんと得られているのだろうか。
After Coronaその12
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