皮膚呼吸しか知らない蛙

アスペルガー症候群当事者が、2次障害に溺れることもありながら社会に適応していく道のりを綴っていきます。

休むということを知らない

2009-05-09 20:51:49 | アスペルガー症候群

ワタシは会社員時代、有給というものを使ったことは辞職する前の一度くらいしかなかったりする。
熱がでてようが、ウイルスに感染してようが・・・いい迷惑である。

どうやら周りのヒトたちは、遊園地に行くとか、子どもの学校の都合とか、親戚の冠婚葬祭(これは嘘が多いらしいというのにビツクリ)とか、まあ自己都合で休んでる“らしい”という情報まではキャッチしていましたが、それを自分自身に応用することは出来なかった。

ある仕事を受け持つ際、自分“なりに”スケジュールを組む。
どんな仕事でもそうなんだろうと思いますが、納期とか期日とかある期間が決まっていて、これがまた結構厳しい条件の時が多い。

自分“なりの”スケジュール上には、うまいコト言って同僚に助けてもらうとか、こうしたら自分が得をするとかいう発想は全くわき上がってこなかったりする。
ヒトに尋ねるタイミングなんてのは全くもって解らない。
どうやらタイミングもはずしているし、尋ね方もはずしているというお粗末な状態だと思う。

例えば、単純作業で30時間かかるだろう仕事が回ってきた際、明日までと言われた時点で、どうやら多くのヒトが“期限を延ばす”という行為や、“そりゃあ無理だろう”と諦めたり、“○○さん手伝って”とかいう技を使ったり、色んな手を考える“らしい”。
ワタシは9:30にその仕事を受け取ると、30時間と見積もった時点で唖然。
昼食抜き、夕食抜き、夜食抜き、睡眠抜き、休憩抜き・・・
明くる日15:30に作業完了。
無事顧客の手に成果が渡ります。
四六時中見ている訳ではない上司としては、15:30以降全く仕事らしい仕事をしていないワタシは、“手が空いている”と捉えるそうです。
なもんで、次の仕事が巡ってくる。
今度の仕事は50時間だなあ。
納期は1週間らしい。

“ふつう”は一日8時間としても、5×8時間=40時間で無理ではないか、と考えるらしい。もう少しサービス精神のあるヒトなら5×10時間=50時間。ああ毎日残業2時間かあ、と思うらしい。

ワタシの場合、脳の機能上、アイドリング時間が必要だったりする。
その上で、自動車のシフトで例えると、1st(low)と5th(over top)しか無かったりする。
一旦5thに入ると、俄然調子付いてくる。
ちょっと休憩なんて入れようモノなら、またアイドリングして、1stに入れて、・・・そもそもどこからはじめるんだったかすら定かでない。
5thの恍惚状態に入ってると、自分の身体がガタピシ言ってるなんてことは知るよしもなかったりする。
結局3日目に仕事が仕上がっている。

企業の側からすれば、その点使い物にはなる。

が、何分ガタピシ言ってる訳だから、表情もガタピシしてるし、言ってる事もガタピシしていたりする。
上司に向かってガタピシ語を喋っていたりする。
「なんでこんなにしんどい思いせないかんねん*+>@%&#!」

・・・・・・単なる八つ当たりの場合が多い。

上司が結構お調子者のヒトだったりすると、ご自身が定時になると酒飲んでくだをまいてたりする。
そういう方の場合、部下のスケジュール管理を部下任せにしてくれるという点で有り難いが、あんま仕事をしてくれなかったりする。

徹夜明けで仕事をしてる横で、お酒を引っかけて絡まれたりすれば、残念ながらイラッときたりする。
その“イラッと”が尋常でないという点が大きな問題だったりする。

“ふつう”は自分の上司だし、立場的に・・・・・・とまあ、いろんな考えを経て、まあまあうまいことかわすらしい。

しかしこちとら直球しか持ってなかったりする。
“酒のんでんだったら帰れ、ジャマだ”

若造にしては随分な物言いである。
そうこうしているうちに付く通り名は“仕事はまあそれなりにするけど、性格がね・・・orz”


まあとにかく、“自分なり”には計画を立てることは出来るけど、
その計画は自分自身を苦しめるような無謀な計画であったり、
ヒトに頼る頼り方をそもそも知らなかったり、
残業代がでないとかいう概念が無かったり、
上司を立てるという姿勢がなかったり、
サビ残は損という勘定がなかったり、
食事や睡眠を採らないと電池きれるということを忘れてたり、
うまいコト行かないことだらけだったりする。

ヒトは社会に出ても、実は仕事以外の場所での関係を重要視していたりすることは、薄々気付いていたりする。
休憩時間に雑談したり、
行き詰まってそうなヒトに冗談を言ってみたり、
困ってそうなヒトをそっと助けてみたり、
出来る範囲の仕事であっても出来ないふりをしてみたり、
給湯室で○○さんの愚痴を言ってみたり、
仕事帰りに飲みに行ったり、カラオケに行ったり、

それを“ふつう社会”ではコミュニケーション能力と言っていたりする。

そういうことで成り立っていたりする。
そういうところがまったく出来ないワタシのような人種は、やっぱりハブられたり(日本語愛好家として“村八分”と追記しておきます)する。

採用の可否に“お昼ご飯を仲良く食べられること”なんてのが実際あったりする。



一見ドライなようでウェットな世界。
それが社会だったりする。
ワタシに科せられた任務は、如何に休憩時間に○○さんが楽しんでくれる話が出来るか、という本来の仕事とはかけ離れた世界だったりする。
それ以前の何かしらの能力も持ち合わせていることを要求されるが・・・
どちらもハードルが高い・・・



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2 コメント

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あ、どこかへ行っちゃったな~ (はるぼん)
2009-05-09 23:21:59
と思いつつも。(いつかまた読みたいです。形変えてでも)
お仕事のお話、大変興味深かった~と言うか非常によく分かりました!
仕事のスケジュール仕上げにまっしぐらに望む姿勢。
そこには、余裕がないのですよね・・・
朝のあいさつでさえ苦痛だったのを思い出してしまいました。
どれだけ体力あっても、長くは続かないですよね・・・そういう計算が出来ない。。。
お昼は一人で食べるのが一番好きでした。
じゃないと休めない。。。
今は、自分の体力を一番初めに計算してスケジュール立てるようになりました。

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あ、みられちった (pluto)
2009-05-10 22:54:09
>はるぼんさん
こんばんは。
あれ、結構恥部なんですよね。
で、まだまだいっぱいあるんですが、blogでどこまで書いていいのか、やっぱり躊躇があったりします。
情報の発信の仕方を考えた上で、ちょっと書き方をかえて今度書いてみますね。

余裕…ないんですよねー。
スケジュール管理はこの年になっても苦労します。
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