皮膚呼吸しか知らない蛙

アスペルガー症候群当事者が、2次障害に溺れることもありながら社会に適応していく道のりを綴っていきます。

地震確率マップに見る日本の地震予知の問題点

2008-11-01 22:55:17 | 地球科学

2003年5月26日、マグニチュード7の地震が宮城県沖で発生しました。

負傷者174人、住宅の全半壊合わせて23棟、、部分破損2342棟、火災の発生4件、幸い死傷者は出ませんでした。

朝日新聞~宮城県沖地震関連WEBサイト~

地震発生の確率推定にはBPT分布グラフというものが使用されています。
地震発生確率の算出に必要な要素は
・地震の起きた平均間隔
・最後に起きた地震の時期
・地震間隔のばらつき

これらの要素を海溝や活断層に着目して調査した結果を基に地震の発生確率は算出されているそうです。


ちなみに2003年5月27日発生のプレート境界型地震後の30年の地震発生確率は99%。

2008年6月14日発生の、岩手・宮城内陸地震は「撓曲」と呼ばれる伏在断層の歪み開放から起こった内陸型(直下型)地震と呼ばれており、前述の宮城県沖地震とは別物とされています。

99%と聞くとほぼ確定じゃん。

って思いますよね。地震予測って統計学的データ検証による予測ですからこのような数値になるのだと思います。

規模の大小は別として、可能性は極めて高いと認識しておく方が良いでしょうね。


さてここで問題となるのは対策面なのですが、プレート境界型地震と内陸性直下型地震では対応の仕方が若干変わると思います。

倒壊家屋による圧死、火災による二次災害、ライフラインの断絶等々はどちらも起こりうる事態で的確に対処する必要があると思いますが、発生間隔が短いプレート境界型地震の最大の懸念は“津波”。

ここのところ東海・東南海・南海トラフを起源とした大規模地震が発生しておらず、リアス式海岸が連なる三陸沖でもそれほど大きな津波は発生していないのは幸いですが、一度マグニチュード8クラスの地震が発生すると、その余波による想像を絶する津波で沿岸部は一気に飲み込まれる事が予想されます。


「○○沖地震」と聞いたら高所に非難する癖はつけたいところです。


さて、近年では岩手・宮城内陸地震(内陸型)の他に平成19年の新潟県中越沖地震(内陸型)、同19年の能登半島地震(内陸型)等、地震発生の確率が低く見られていた地域の地震が目立って予想を超える被害が出ている地域があります。

岩手・宮城内陸地震
新潟県中越地震
能登半島地震

要因として、
・内陸型は予測が難しい(過去観測データの少なさ等)
・活断層/伏在断層/断層の解析、発見精度がまだまだ未熟
・推定規模と構造物及び基礎の耐震強度、対策に対する楽観的見解

これらの地域のBTP推定のよると0.1%や3%未満、調査中と予知・推定技術はまだまだ発展途上の分野であることは否めませんね。
予知自体とても難しい分野ですから仕方がないと思います。


柏崎刈羽原発などはお粗末でしたよね。
活断層(といっても色々ありますし直上にある構造物が一番被害を受けるとは限りませんが)直上に建設されたこの施設。
マグニチュード6.5を想定とした耐震構造という詰めの甘さ。
耐震設計に使用されている基準は主に加速度galだと思うのですが、
最大振幅及び一定振幅継続時間等も十分に考慮した設計・施工が求められるでしょうね。

なんせここは“原発”なんですから。


だいぶん方向性がずれてしまいましたが、地震に関しても『予知技術』はまだまだだというか、非常に難しい分野だろうなあ、と思っています。

地震予測情報システムが一般家庭に提供されるシステムも起動を開始しましたが、何かと問題点は山積していますね。


『まずは、起こるものだと想定して対処法だけは頭に入れておく』

というのが重要なのでしょうね。

あとプレート境界型は短周期ですので現在の手法である程度の予測精度は確保出来そうな気がするのですが、内陸直下型に関しては、従来の歪み計測では難しいし熱量・圧力・密度・鉱物変成等の観点などからの定量的観測技術が確立されたりしたら面白いかもな?
と素人ながらに思ったりします。


予知・予測というのは魅力的な分野ですが、現時点では気象予報とともに「当たるも八卦、当たらぬも八卦」
危機感を煽り、パニックを引き起こす可能性が高い代物であるのが現状ですので、
如何に災害を最小限に食い止め、二次災害を防ぐ、復旧支援を拡充する整備体制を確立して欲しいと思います。

日本の自衛隊などは災害復旧の分野ではかなりの腕前を持っているんですから。



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