ペットボトルは日本では1977年にしょうゆの容器として初めて使用され、その後1982年に飲料用に使用することが認められて以来、多くのメーカーで使われるようになりました。
<ウィキペディア 「ペットボトル」 より引用>
まずPET樹脂とは、ポリエチレンテレフタレート(POLYETHYLENE TEREPHTHALATE)の略称で、石油からつくられるテレフタル酸(分子式:C8H6O4)とエチレングリコール(分子式:C2H6O2)を原料にして、高温・高真空化で科学反応させてつくられる樹脂のひとつです。製造にかかる石油量は容器の3倍。
容器1つ作るのに原料の石油が4つ分かかるとなると、生産量が増えると石油消費量率としてはかなり高い(石油依存度の高い)材料と言えます。
ペットボトルのリサイクルを始めたのは1993年。
<環境省 「ペットボトルの生産量と分別収集量の推移」 より抜粋>
1993(H.5)年度と比較して、2006(H.18)年度の生産量は約5倍。
生産工程における石油消費量は、5×4=20倍となります。
1993年度のペットボトルは、そのままゴミとして処分されていました(12万t)。
2004年度は、回収率【事業系含む】を除いたゴミ(どこかで捨てられた)としての処分量は19万t。
回収されたペットボトルの再利用量(ここでは回収率をそのまま数字にしています。別データより誤差が出ていることは確認済みです。)は、2004年度計上で33万t。
500mlペットボトル換算の単純計算で、’93の国民一人当たりの消費量は8日/本が、’04では2日/本と、大量生産・大量消費に傾き続けています。
人間心理とは難しいもので、便利・お手軽になると消費は拡大。
分別収集で『エコ活動に貢献している』との錯覚も生まれているでしょう。
また、持ち運び、使い捨てに便利となると、「そこいらに放棄してしまう」というのも人間心理かも知れません。
事実、生産量は年々増加し、同等の割合で分別回収されずに至るペットボトルの量は増加しています。
この時点で3R政策の『Reduce(廃棄物の発生抑制)』とは反対方向に進んでいることだけは事実です。
ペットボトルリサイクル推進協議会の会員団体は5団体。
いずれもペットボトルを容器として使用している企業の団体連合会です。
ただ、最近の統計データを見てみたのですが、かなり細かく計算されていますので、一応信頼性はそこそこあるのではないかと思います。
回収量に関して、回収にかかる試算費用は下記のとおりです。
直営の場合の収集平均単価は、ペットボトルが26.5万円/t。
ペットボトル:約30g、1tあたりのペットボトル本数3万本。1本あたり8円強。
直営収集(’04回収量から):768億円。
委託の場合の収集平均単価は、ペットボトルが10.6万円/t。
委託収集(’04回収量から):336億円。
どこが出しているか等は別途記事で探っていきます。
<廃棄物学会 「容器LCC調査結果報告書」 2004年5月 より試算>
ここには当然平ボディのトラック(町中ではバンの屋根に積載しているのとかを見かけますが・・・)に積載、運搬といったことになるでしょう。2t車で150kgで満載。再利用量を見て分かるとおり、殆どは処理場に運ばれますので、32万トン/150kg=213万台。概略で往復10kmと仮定。2t平、燃費:5㎞/㍑で、軽油426万㍑。
軽油の比重:0.8017より、軽油質量:3400t(PETの生産量に比べれば微々たる物ですが・・・、NOx,PMの追加排出もあり)。
ペットボトル生産量・回収量に関する検証だけに焦点をおくと、『環境にやさしい』とは言えず、循環型社会のキーワードとなっている『3R政策』のReduceの観点では、あまり芳しくない方向に進んでいるようです。
不況脱却・景気回復は大量消費社会への邁進と考える時代も、そろそろ考え直さないといけないかも知れない。
少なくとも『環境にやさしい』『環境に配慮した』という言葉の裏に隠された意味だけでも知っておくことは、無駄にはならないと思います。
まず
それがはじまりだと思います。
日本におけるペットボトルに関する問題に興味を持って下さる方々へ
当過疎地ブログでは、2009/06/06段階で3記事を書いております。
ワタシの不勉強で間違いや勘違いが多々あると思いますが、今後もたまに記載していこうと思っています。
もし宜しければ、下記記事も参照して下さるとワタシの考えていることを感じて頂けたり、研究や活動をなさっていらっしゃる博学な方のちょっとしたネタになるかも知れません。
ペットボトルのリサイクルは環境にやさしいか - 生産量・再商品化見込までの流れ -
廃ペット価格暴落は想定内 - 影響を受けるのは市町村と新規参入企業 -
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