「√(ルート)か、みんなに分け隔てなく接するいい子だ」
博士はルートの頭を撫でながら、こう語ります。
√は紀元前3500年前に始まるメソポタミア文明で、すでに近似値が使われていたそうです
(粘土板 YBC7289 ; Yale University)
一辺が7~8cm四角形とおぼしき形に、対角線と思われる斜線と楔形文字。
楔形文字のひとつは、「1 24 51 10」
もうひとつは、「42 25 35」
紀元前1900年頃からのバビロニア王朝では、楔形文字の他、太陰暦、七曜制、60進法が使われていたといわれているそうです。
上記の楔形文字の数字を60進法から10進法に変換してみると、
「1 24 51 10」=「1.41421296296…」
「42 25 35」=「42.426388…」(左上の文字は30)
√2と、一辺30の正方形の対角線の長さ42,426388…が描かれています。
2は1*2=1より大きく、2*2=4より小さい。よって√2(αとでもする)は1と2の間にある。
ここで1と2の中間値1.5(3/2)が√2ならば、2/1.5も√2になることになるが、
2/1.5=4/3=1.3333…
よって√2は3/2と4/3の間にあることになる。3/2と4/3の中間値は、17/12=1.41666…。
2/12/17=1.41176…。
よって√2は24/17と17/12の間にあることになる。
(数学史の窓から :東京海洋大学名誉教授 中村 滋氏)
とまあ延々と続けると、より正確な近似値を求めることができる。
本当にそうでしょうか?
√記号の考案者は、Leonhard Euler(1707-1783)考案です。
三平方の定理(ピタゴラスの定理)は、Pythagoras(B.C582-496)の考案。
バビロニアの時点で、√2に該当する概念が存在したかどうか微妙なところなのですが・・・
古代インド、スルバ・スートラ(紀元前800 - 200年ごろ)では、ニの平方根が「基準の長さからその三分の一だけ増やし、さらにこの三分の一のそのまた四分の一から、この四分の一の34分の一だけ取り去ったものを加える」として与えられている。
平方根という概念が存在したかどうかというところが非常に微妙な感じがするんですよね。
ま、おいといて、敷地面積を求める時に平方根(ピタゴラスの定理)を作図することが可能だったりします 。
見事に綺麗に並びますね。平方根とルート内の数字をx-y曲線で描くとまあ当然の事ながら二次関数の放物線を描きます。
この√を使った比率で、よく絵画等で用いられる黄金比、白銀比などが出現したんですね。
黄金比1:1.618はダビデの星(阿倍野晴明さんの家紋ですね)、白銀比1:1.414は用紙サイズ。
様々な使われ方をする数式は、綺麗な法則性を持った素敵な世界です。
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