おとのくに♪♪

生徒さんのピアノレッスンで感じたこと、考えたこと、コンサートの感想などポツポツ綴っています。

クルタークの遊び

2019年12月10日 | 楽譜の話題
だいぶ前にエマールのリサイタルを聴きに行った時に、プログラムにクルタークの「遊び」がありました。

その中で「おっ、いい曲!」と気に入ったものがあり、帰ってからまた聴きたいとyoutubeを検索しました。

ところが、メロディーもハーモニーも聴いたものと違い、他の動画を探すとそれもまた違い、しかも最初に探した動画の演奏とも違いで、へ???

少し経って、その作品は演奏者によって異なることを知りました。
楽譜が図形のようになっているのです。

クルタークはこの曲集の前書きにこのように書いています。

「子どもがピアノに触れた瞬間から、全鍵盤の上を自由に走り回れたらという考えが、この作品集を生んだ」

コチシュの演奏です。

1本指や手の平で弾く曲もあります。

同じ曲のコチシュとエマールの演奏。2人ともクルタークに師事していました。
Unottan(退屈)コチシュ
Unottan(退屈)エマール
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初級はこれを

2019年12月09日 | 重力奏法
重力奏法でレッスンをするようになってから、どの教本が終わったら初級は終わりではなく、何を身に付けるのが初級かと考えるようになりました。

昔はバイエルというものが基準になっており、それが終ればブルグミュラーという流れになっていたと思います。

今でもピアノ経験のある保護者の方はバイエルは必須と思っています。
私よりずっと若い保護者の方でも。

私の時代はバイエル全盛期でしたが、運良く私はバイエル上巻はしていません。
初めから大譜表の教本を使いました。
今見ると、ポリフォニーの曲もあって、右はメロディー、左は伴奏という形態だけで習い始めたのではなかったことに驚いています。
よく弾けたなと思います。

半年でこの教本を終え、バイエル下巻に進みました。
最初に使った教本のおかげか頭が柔軟になっていたので、バイエル下巻は苦労なく終わりました。

しかし、私がこの期間にしたことは音符を読んでそれをピアノに移しかえて、強さを付けただけです。
これが音楽だとは思ってはいませんでした。
もっと心地の良いもの、流れるようなもの、気持ちがあるもの。
自分の演奏はレコードで聴いていた音楽とはかけ離れていると思っていましたが、どうすれば良いかは分かりませんでした。

重力奏法で教えて2年経とうとしている今思うのは、初級は正しい発声と音楽の言葉を話せるようにすること。

音楽の言葉は生涯追及するものですが、初級の内に細かいアーティキュレーションを弾き分けられるようになること、これが豊かな言葉を生む素になると思います。

毎回レッスンを一緒に受けてくださる親御さんが練習に真剣に付き添い、子供も真剣に取り組み、手の癖が特別強くなければ、1年半もあれば正しい発声と音楽の言葉は覚えて実演できます。

出来るか出来ないかではなく、やるかやらないかだけです。

正しく始めさえすれば、その後3年経っても4年経っても10年経っても同じところで足踏みせずに済むのです。

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ドヴガン リサイタル プリセール

2019年12月08日 | コンサート情報
なんとまぁ、アレクサンドラ・ドヴガンちゃんのチケットのプリセールが12/14まで行われています。

知らずに何気なくAMATIのホームページからぴあにアクセスしてみましたら、今までなかった彼女のリサイタルの発売情報が出てきまして、12/7からプリセールが始まっていたようです。

もちろん、買いました!
翌週のマスレエフはあきらめました・・

この若さの時のサーシャちゃんの演奏を聴いておきたいと思いまして。

追記
12/9に残席を見てみましたら、席は残り少なくなっていました。
プリセール用の席が少ないのか、一般発売になったらそれ用の席が用意されているかはわかりませんが、注目度は高いと思われます。

大阪でもリサイタルがあります。
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ミュージックフラッシュカード

2019年12月08日 | 書籍紹介
レッスンで使うカード類はもっぱら手作りしていました。

ボロになってきては作り直し、いつしか作り直すこともしなくなってしまいました・・

そこで、既製品を買ってみようかとこちらを買ってみました。
Music Flash Cards Set A (Hal Leonard Student Piano Library) (英語) 用品 

この中にこのようなものがありました。

これが案外便利で、不思議な音の国を使っている子供たちに使えます。
ただ、リズムカードは8分音符や付点4分音符などはこのAセットにはありません。

そこで、あとからBセットを買ってみました。

この中にこのようなものがあります。


ん~、使うことあるかな・・
教本にもあるし(不思議な音の国にはありません)ハノンもやっているし、和音を素早く読む練習にでも使おうかと考えていました。

ところが、純粋にこのカード本来の目的で使う機会がやってきました。
大人の生徒さんに。(子供にはまだ使っていません)

これによって頭の中が整理できたようでした。
テキストや曲でこれに関した話はよく説明しているのですが、よくはわかっていなかったようで・・

カード状になっていることがポイントなのだと思います。
調号だけのカード、1オクターブのスケール、1枚ずつになったⅠ、Ⅳ、属七、それがさらにカデンツとなって1枚に。

これを他の調と比べて見ることも容易にできます。
和音の形が調が変わっても同じであることがわかるので、指使いも同じであることが理解できます。

ただし、調性は調号1つまでの長調、短調までのカードしかありません。
初心者にはこれで足りると思います。

和音の聴音にも使えそうですし、スケールのカードを見せて何調?というのにも使えそうです。

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男の子にはこちらの方が

2019年12月07日 | 重力奏法
手首からゆっくりと鍵盤を離すのと、指でスパッと離すのとでは音の消え方が異なります。

スラーの終わりは特別に強める記号が付いていない限りは手首から持ち上げ、弱く軽く優しく柔らかに弾きます。

ダンパーが戻る速度をゆっくりにするためです。

ところが多くの男の子は無神経に音を離します。
どんなふうに音が消えていくか聴いていません。

言われた時だけ手首を使ってみるけれど、1曲通して続けることはまずできません。

そんな男の子たちにダンパーの話をしました。

ピアノは初期の頃はダンパーがなかったこと。
それはまだピアノが小型だったので、弦が短く音が消えるのが早かったので音を止めるものが必要なかったこと。

しかし、モーツァルトの時代あたりからピアノが大きくなり、弦が長くなったため音を止めるダンパーが必要になったこと。

そしてダンパーが戻る速度は手首によってコントロールできること。
ダンパーをすぐに戻して音を止めたい時はスパッと離し、徐々に消えるようにしたければ手首からゆっくり離せばダンパーはゆっくりと戻る。

そんなピアノの構造を話しましたら、男の子たち全員エラく納得。
小6、高校生、大学生、大人、この年代の生徒さんたちに話しました。

全員、スラーの終わりに音楽が聞こえてきました。

仕組みを理解して操作する。
気持ちだけで音が変わるわけではない。
変えるためにはどう身体を使うか見つける、考える。

これもテクニック。
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とどのつまり

2019年12月05日 | 重力奏法
子供たちに重力奏法で教え始めてもうすぐ2年になろうとしています。

どの子供たちも以前より良い音で弾いています。
音を作り出す、音楽を表現することも理解できるようになってきています。

しかし、レッスンの時だけピアノを弾き、残りの日は遊び呆けている子はいます。
そのような生徒は前回やったことは忘れています。
またやり直さなければなりません。

このメソッドは教える側に相当な根気と集中力が要ります。
何時間もどの子供たちにも私は全力でレッスンします。

美しい音で弾いてほしい、無理な弾き方で弾くのが辛くならないようにとの思いもありこの奏法で教えるようにしました。弾けてくる先にあるものを見せたいからです。

とどのつまり、どんな奏法で教えようが、一定の期間内に形にしてくる責任、課されたことを実行してくる責任、精一杯のことをしてくる意志が欠如しているお子さんは存在し、私の力だけではどうにもできません。

そしてそのようなお子さんの親御さんは皆「練習するように言います」とおっしゃいます。
それでは駄目なのです。
それは子供任せにできるところまで育ててからにしてほしい。

私は35年で今週、はじめて親御さんを叱りました。
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シャンドール読み直し中

2019年12月03日 | 書籍紹介
シャンドールピアノ教本を読み直しているところです。

現代では当たり前の重力奏法。
今どき手首も腕も固めて指だけで弾く奏法はあり得ないのですが、あり得ているのが日本。

小さな子供にどうやって重力奏法を導入するかは、ロシアン・メソッドと言われているものが上手く考えられています。

多くの場合3の指でノンレガートから始めます。
音と呼吸はいつも連動し、力みのない指とリラックスした腕を第1関節、肩、腰、足で支えます。

さて、ノンレガートの打鍵の方向についてひとつ。

私は習い始めの子供たちには基本的に垂直に下すように教えています。
一番自然な音で重さをのせやすいからです。

手首の堅い生徒の中には、いつの間にか鍵盤の奥に向かって突くように弾き始める生徒がいます。
それは今は必要ではありません。

いずれその音も必要な個所が出てきますが、ずっとその音で弾いては雑で不愛想な音になります。

もうひとつ、手前に滑らせるように教える先生もいらっしゃるようです。
この音は滑らかで美しい音がします。

この音も大事で必要になる時がやってきます。
しかし、重さをのせる感覚がつかみにくく、音が鳴りにくいです。
上級者のテクニックです。

私はまずは垂直に下し手首から持ち上げるようにしてもらっています。
自分の判断でそのようにしていたのですが、シャンドールの本を読んでいたら、

「指先はできるだけ鍵盤をまっすぐ下におろせるポジションに持っていくべきである。それがエネルギーを直接的に伝える方法なのである」

と、ちゃんと書いてありました。

指と腕のアライメントも力説しています。

手首からゆっくり持ち上げるとピアノの中で物理的にどんなことが生じるのかと言うことも書いてあります。

ダンパーは鍵盤から指を離すと下に下り、音を止めます。
その下りる速度は離し方で調整できます。

長い音をすぐに鍵盤から離すとその音はダンパーによって消えてしまいます。
長く残し、自然に減衰させるには手首から徐々に持ち上げてゆっくりとダンパーを下す必要があります。

そんな話を今日、小学3年生の生徒にしましたら、なぜ私がゆっくり手首を持ち上げてとか、長い音をすぐに離さないでと言っているのか理解できたようでした。

ずっとその音楽がそれを求めていると話していたのですが、ピアノの構造を理解してもらった方が早かったのかな・・と思いました
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やったー!

2019年12月01日 | 不思議な音の国
今日は「不思議な音の国」の上下巻、両方とも修了した生徒さんが初めて現れました。

初めてピアノを習い、不思議な音の国でレッスンを始めた生徒さんで両方の巻が終わった生徒さんは初めてです。

1年5カ月かかりました。
よく頑張りました。

上巻は5カ月(回数は16回)で終わりましたが、下巻はさすがに時間がかかりました。
途中から他の教本も2冊併用し、フォルマシオン・ミュジカルのテキストもご購入いただき宿題が増えたこともあり、下巻は2曲くらいずつしか進みませんでした。

しかし、細かいアーティキュレーションを弾き分けるテクニックはついています。
また、歌う感じの曲が得意です。逆に快活な曲はなんだか優雅になってしまうのですが、なんの表情もないより良いかな・・と思ったりして。

みんなが大好きな「Super Duck」もジャズバンドの伴奏と一緒に弾きました。
この曲はリズムの合わせで苦労します。

不思議な音の国はメロディーと伴奏という、他の教本にはそれしかないというお決まりの形の曲が逆に少ないのです。

なので、Super Duckのように左が終始、重音で伴奏を弾く曲はほぼ弾いてきていません。
しかも、メロディーはアウフタクトなので余計に合わせにくいのです。

でも、不思議上巻下巻と進んできた生徒さんはちゃんとこの曲も弾けるようになります。
メロディーと伴奏の形しか弾いてきていない生徒さんが不思議な音の国にあるような曲を弾く方が難しいと思います。

イリーナ先生の「Super Duck」のレッスンです。
Piano Lesson in Progress. Elena Cobb. Super Duck

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