おとのくに♪♪

生徒さんのピアノレッスンで感じたこと、考えたこと、コンサートの感想などポツポツ綴っています。

楽器の音を知ろう!③~フォルマシオン・ミュジカル~

2017年02月18日 | フォルマシオン・ミュジカル
今日、大人の生徒さんのレッスンをしていてつくづく思いました。

ピアノ以外の楽器の音を知っていること、オーケストラ作品や室内楽曲を知っていることがピアノ演奏をどんなに豊かに楽しみの多いものにすることか。

J.S.バッハの「シンフォニア」をレッスンされている先生は多いと思います。

まずはテーマが聞こえるようにとレッスンされると思います。
バッハが「インヴェンション&シンフォニア」を作った目的の一つであるカンタービレということを意識しながらテーマを歌わせようと指導されると思います。

しかし、なかなかうまくいかない・・

そして適当なところで妥協して取りあえず先へ進もうと終わらせてしまったりして・・

そんなレッスンをしているのは私ですが


ところが、F.M.のテキストにあるオーケストラ作品の楽器名を当てる課題を聴いていただくと演奏が変化してきます。

ちょうどよい課題があるのですが、ベートーヴェンの「エグモント序曲」の冒頭部。

tutti、fの長い主音のあと弦楽器群が4小節でf-mollからc-mollへと一気に導きます。
そのあとに切ない旋律がストレッタで、Ob→Cl→Fgと受け継がれ奏でられます。

旋律が次々と他の楽器に受け継がれていくところを聴いていただくことによって、シンフォニアの上声、中声、下声に現れるテーマをそれぞれ別の楽器に例えて想像するだけではなく、同じ声部に続けて現れたテーマをあえて別の楽器が次に奏でると想像するだけで存在感が違ってきます。

テーマとその反行形も弦楽器と管楽器との掛け合いと考えるだけで平面的な譜面に生命力を感じ始めます。

そして実際に伸びのある弦楽器や管楽器の音を聴くと聞こえればいいの打鍵ではなく歌わせようとします。


別の曲になりますが、ブラームスのOp.118。

ピアノ曲のような気がしないと思っておりましたが、ブラームスの頭の中では弦楽アンサンブルの音が鳴っていたのではと想像しています。

そう考えて慈愛に満ちたNo.2を考えると、気付くものがゴロゴロ出てきます。

そしてなぜわざわざピアノ曲にしたのかも。

全て想像の世界ですが、イメージするものがはっきりしている方がやるべきことがわかります。
理想を描くことができます。


スコアを見ながらオーケストラ作品や室内楽曲を聴くだけでは主旋律を追うだけで精一杯になる可能性があります。
しかし、F.M.のテキストで「ここは何の楽器?」という課題を解きながら聴くと、メインではない部分の音にも注目して聴けます。
次々と受け渡されていく楽器の音も「あっ、今、〇〇の楽器に変わった」と気付くようになります。

自分のためにもF.M.のテキストを持っていると勉強になります。
知識としてではなく、実際に演奏に結び付けることができます。

生徒のレッスンで自分も一緒に勉強できますのので、F.M.はおススメです
でも、予習はしておきましょう!
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