亡くなる前のミスターボーイ
ミスターボーイが繋養されていた佐賀県にある 「 エンドレスファーム 」
現役時代のミスターボーイ 「 小倉競馬場・北九州記念にて 」
九年庵の先から富士町に抜ける山道の途中にエンドレスファームがある。
そこにはかつて競馬界を沸かせた
グリーングラス・テンポイント・トウショウボーイのGTT時代を築いた
グリーングラスの墓がある。
そんなエンドレスファームにミスターボーイがいた。
3月8日はミスターボーイの誕生日である。
今は閉鎖してしまったが、
以前、自身のホームページ 「 馬の詩 」 の開設も3月8日にこだわった。
かつてハンドルネームにしていた馬が2頭。
その内の一頭がミスターボーイである。
サッカーボーイやコンサートマスター、セントシーザーなど
快速揃いだったあの時代。
イブキバレリーナと一緒に走った小倉日経オープン。
ラチ沿いでワクワクしながら馬群からその勝負服を探し追ったゴール前。
蝉しぐれが降り、赤トンボが舞う小倉競馬場で
秋の活躍を約束したミスターボーイが、
サッカーボーイが勝ったマイルチャンピオンシップで逃げて3着は、
自分のことのように感動した。
その走りに憧れ、
自分のプロテクターにその車名を書いた飯塚オートの金山清司のビバイダテンや
山陽オートの宮地 良のデビルガッツ。
それと同じように 「 その名を付けたい。 」 と思わせたミスターボーイ。
そのミスターボーイが余生を送っているエンドレスファームによく逢いに行っていた。
リンゴや人参を箱いっぱい買っての面会だ。
それは恋人に逢うそれにも似てワクワクさせた。
まさに 「 逢瀬 」 である。
厩舎の馬房の前に歩いて行くと、
それまで寝ていたボーイはボクが行くと起き上がり。
ボクが齧ったリンゴを口から出して手のひらに乗せると、
カリコリと少しずつ食べた。
その姿を見て、自分の愛した馬に自分の想いを伝えた。
そして何度も足を運んだ。
今は亡きミスターボーイ。
だけど、ボクの中ではある形となって存在している。