所在地 / 大分県大分市黒
竣工 / 1901年 ( 明治34年 )
設計者 / 不詳
海上保安庁指定Dランク保存灯台
明治の鉄造灯台を代表する白い躯体が海峡に輝く
関サバ、関アジで知られる豊後水道。
佐賀関の突端にどっしりと座る白亜の灯台。
壁面に打たれたリベットは、この塔体が鉄で造られていることを物語る。
細部には装飾が施され、扉は木製で気品さえ漂う。
沖行く船の無事を見守る灯台にいつまでも愛情を注いでもらえるように、
明治の人々は美というエッセンスを注いでいるのである。
日本に7つ残る明治期の鉄製灯台の中では4番目に古い明治34年初点灯。
円を半分にしたような独特なスタイルは、北九州の部埼灯台などと似て、
塔体の足元を抱きかかえるように塔屋が弧を描いて廻っている。
灯台の腰には回廊が設けられ、
持送り ( 回廊を支える腕の部分 ) には、透かしのある装飾が機能美を見せつける。
これが繊細な黒い手摺りとともに灯台のアクセントとなっている。
東西南北の文字を配した風見。
レンズを覆う灯火台のガラスフレーム。
様相の麗人を思わせる明治期の灯台は、たった11mしかない背丈ながら、
十分な存在感を表している。
敷地内には灯台守のいた頃を偲ばせる建物跡が残り、
100年以上も海峡を見つめた歴史の重みを纏っている。
心を打つ岬の風景を見に、
桜の季節には花見を兼ねて訪れたいと思っている。
明治34年のプレートが誇らしげに輝く白い灯台が歓迎してくれるだろう。
灯台表番号 / 4979
ふりがな / せきさきとうだい
標識名称 / 関埼灯台
所在地 / 大分県大分市 ( 関埼 )
北緯 / 33-16-00 ( 00.2 )
東経 / 131-54-08 ( 07.9 )
塗色 / 白色
灯質 / 等明暗白光 明3秒暗3秒
光度 / 5600カンデラ
光達距離 / 12.5海里
地上~頂部の高さ / 11.01m
平均水面上~灯火の高さ / 69.59m
地上~灯火の高さ / 7.72m
業務開始年月日 / 明治34年7月20日
現用灯器 / 高光度LED灯器 ( 白 )