ヨーロッパで出会うトルコ人に、「トルコはアジアの国か、
それともヨーロッパか」と聞くと、大抵は「その両方にまたがっ
ている」と答える。
事実は僅かにボスポラス海峡を越えて、イスタンブールの
辺りだけがヨーロッパなのだが、トルコ人の意識は「ヨーロッ
パの一員」が強くあった。
国民の大部分がイスラム教徒で、だからトルコの長年にわた
るEU加盟の要請をEUの基幹国ドイツ・フランス・イタリアが
拒否し続けてきた。
対ソ連のために結成されたNATOには早くからトルコの加盟
があるのに。
だがここにきてEUに加盟が出来なかったトルコに幸福の
風が吹き始めている。ギリシャの凋落を見るにつけトルコは
良く頑張ったと拍手を送りたい。
2010年の成長率が8.9%にも達し、イスラムの圧迫も低く、
トルコ人は豊かな生活をエンジヨイしている。
政権与党はイスラム系だが、多くの市民は「今は民主主義だ」
と叫んでいる。首相は敬虔なイスラム信徒だが、穏健な人物
だから、女性たちもスカーフで頭を巻く必要もない。
アラブの独裁政権が倒され「アラブの春」と呼ばれる現象にも
トルコは揺らがない。
EUに入れてもらえなかったことが、却って幸いを呼んだ感す
らある。
アジアの西端に明治以来の、大の親日国が繁栄していると
聞くと喜ばしい。
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