凄いシーンにお目にかかった。
昨日の透析を終えて、帰宅した時だったから午後8時。
同じマンションの三人家族が、どこかのスーパーに
でも買出しに行ったんだろう。それぞれが両手一杯
の荷物を持ち、父親に当る人は缶ビールの段ボール
を2箱も抱えている。
このマンション、カギを差し込まなきゃドアが開かない。
母親がカギ束を出して、ごちゃごちゃやっていたが、
ラチが明かぬとみた父親が代わって自分のカギで
開けた。短大生に見える娘は黙って見ていた。
ボクは三四歩遅れて、開いたドアから続いて入った。
エレベーターの前で、いきなり、
「そうゆうのをムカツク~のよね。なによ人がカギが
見つからないで困ってるのを。もっと早く開けて
くれたらどうなのよ」
「ね~ぇ」と賛意を求められた娘は、困ったような
顔で黙っていた。
叱り飛ばされた父親というか夫の方は、言われる
ことに慣れっこになっているのか、ボクの方を向い
て「ここに蚊がいますよね」
第三者のボクの目を意識して、話をそらしたのだ。
キツイ東京言葉の彼女は、綺麗な顔立ちで服装も
整っているのに・・・・
夫の方は50代後半だろうか。服装もダサイし、
あの辺りも彼女にはお気に召さないのだろう。
ここからは、ボクの想像だけど、カレは最近、繰上げ
定年か何かで会社をやめた。することも行くところもない。
妻と娘が連れ立って買いものに行く。
「わしも行く」と付いていって、あげく「ムカツク~」。
「わしも」「わしも」で「わしも族」というらしい。
嗚呼悲しい哉、中古男性!
P.S. 喝を入れてやるから俺ンとこへ来い!
パパゲーノ
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