作家 小林真一のブログ パパゲーノの華麗な生活

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【 そのとき歴史は動いた 】

2007-12-09 14:15:00 | 04 時事ニュース

松平という、かつてタクシー運転手を殴り、
しばらく謹慎していたアナが担当する掲題
の番組には、つい題名に引かれて見てしまい、
その内容の空虚さにガッカリさせられること
が多いのだが、先週の「満州からの引揚者問題」
はヒドかった。呼んだゲストコメンテーターが、
またヒドい。実際の引揚げを経験したことの
ない、若い世代が語る内容は、文献頼り以外
の何物でもない。

満州からの一般在留民の引揚げが、米ソ両大国
の思惑で決まった。との断言は暴言でしかなく、
その検証もシベリヤ抑留者の送還問題と混乱
していた。

在満州邦人の引揚げが、昭和21年にズレこんだ
のは、米ソの対立なんかに関係は無い。
本当の原因は、日本の敗戦で始まった、中国
国民政府と中国共産軍との内戦による。
確かに敗戦直後の満州には、ソ連軍が進駐し、
暴行、奪略、強盗、凌辱の限りを尽くし、日本
への邦人送還なんてことは、およそ無視された
時期であった。

そのソ連軍が、やりたい放題の末、漸く引揚げた
あと、首都新京に進駐してきたのは、中国国民党
政府軍であった。
蒙古に居た共産党軍との間に激しい首都争奪戦
が何度もあり、その市街戦の度に、多くの戦死者
の遺体を残したまま、どちらかが逃亡し、市街に
はためく旗が代わった。

蒋介石と毛沢東の間で、ともかく日本人を送還
するのが先決との話がまとまって、満州からの
引揚げが開始されたのだ。

確かにアメリカの軍用輸送船も多数参加したが、
生き残った日本船もまた動員された。現に当時
12歳のボクは、陸軍が所有していた護送空母
の生き残り「熊野丸」で帰国した。
日本政府が全く関与しなかったとの報道は、
めちゃくちゃだ。

また松平は満州国を「傀儡国家」と称したが、
あの国は国際連盟加盟国のおよそ三分の一
が認知した国家だ。
その中にはバチカン市国も含まれている事実
がある。
利権に関与するべくもない、エルサルバドルや
ドミニカまで認知している。公共の電波を使って、
自己の「自虐主義」で、満州民族国家である
旧満州国を、勝手に「傀儡」と呼ぶな。

中国とは漢民族の国である。万里の長城の存在
が、それを示している。その万里の長城で防いだ
先に、満州族の国家があったのだ。新疆やチベット
と同じことである。

断っておくが、11歳でソ連軍に攻め込まれ、親の
無いボクが4歳の弟を連れての逃避行があった。
母はその年の八月一日に手術の失敗で死んだ。
その直後にソ連軍の侵入があった。

戦争の悲劇を目の前に見たボクは、絶対的な
平和主義者であることを、強調しておく。松平の
言が「自虐的」であるとしか思えない。文句ある
なら受けて立ってやる。


                     パパゲーノ

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