小樽のパパの子育て日記

日々のできごとを徒然なるままに2006年から書いて18年目になりました。
ヤプログから2019年9月に引越し。

図書館で借りた本

2015-02-17 04:44:55 | 図書館


本田宗一郎「俺の考え」。閉架になっていた本を引っ張り出してもらった。
昭和38年発行だから50年以上も前に書かれた本書であるが、内容は今読んでもまったく色褪せていない。

「一般的にいって、どこの会社でも能率の悪い課長ほど人をほしがる。課長の役目は何かといえば、日本の課長は部下を何人持ったかによってプライドを持っているが、こんなばかなことはない。自分の課の人間をいかに減らして、ほんとうは課をなくしてしまうことに重点を置かなければいけない。ところが反対に、課長は部下を幾人持ったかが課長のえらさであると誤認している。はやり大企業になってくると、課長さま課長さまと言われる方がいいものだから、だんだん効率を自分で下げていってしまうのだ。」

「大衆はいっぺんに高いところへ上がれない。だから流行というものはじりじり変わっていかなくてはならない。」

「コンベアラインに乗って、同じ仕事を繰返す人は、技能はそれだけしかないと思う人がいるかもしれない。しかし同じ繰り返し作業でも、もっとこういう簡便な方法があるじゃないかということを考えたときにはコンベアラインが一つのアイデアを入れることによって、根本的に変わってしまうとか、その工程がいらなくなってしまうとか、いくらもある。
 だから、いわゆる技能のいらない繰り返し作業の人ほど、私はアイデアを尊重してもらいたいと思う。アイデアによって繰り返し作業も変化するのだ。猛烈に短縮もする。倍もあったコンベアが半分とか三分の一になることもできる。その方が一人の技能をもつ人よりもはるかにコスト低減になる。
 千人の技能者より一人のアイデアの方が、よっぽど高い評価になることもできる。千手観音というのがある。これは一つの観音に手が千本あるのだが、いくら手があったって、お互いにじゃまになって、いっぺんに千の手が働けるわけにはいかない。技能者というのはそういうものだ。いくらやったって一人じゃ限られてしまう。アイデアは無限だ。大勢を動員することができる。」

ライターなんかがいない時代だろうから、文章はゴツゴツとしているが、だからこそストレートに伝わってくるものがある。教えの多い一冊。










空き家問題は深刻、人ごとではないですね。