「だいこん」 山本一力著 光文社文庫
初めての山本一力です。江戸の町を舞台に、ご飯を炊くことに天性の才能を持つつばきちゃんの細腕繁盛記です。つばきちゃんは頭がキレて、竹を割ったような清清しい性格の江戸っ子でとても好感が持てます。若い女が店を切り盛りするには、様々な苦労、困難があり、それを乗り越えていくつばきちゃんを思わず、応援したくなってしまいます。
そうです、話の中身自体は悪くないのです。しかし、ストーリーの構成というか、作りがイマイチなのです。出だしの方で、つばきちゃんが子どもの頃に見知ったオジサンに遭遇、そのオジサンとの会話をしながら「そういえば、昔、こういうことがあったのであった」と、回想形式で展開していくのです。回想シーンがそれなりのボリュームで続いて、せっかくストーリーに入りこんでいるところで、忽然と、オジサンとの会話に復帰。そして、ちょっとしゃべったかと思うと、またまた、「実は、あんなこともあったのである」みたいな調子で、何度も、時空を行ったり来たり。その上、回想するのが10年以上も前だったり、ほんの数年前だったり-。
「もう、訳わかんない!」って絶叫するほどではないのですが…でも、素直に、時系列でストーリー展開してくれた方が、もっと、気持ちを入れ込んで読めるような気がするのです。つばきちゃんが好きになれたのに、小説全体としては、ちょっと惜しい!!って感じです。
初めての山本一力です。江戸の町を舞台に、ご飯を炊くことに天性の才能を持つつばきちゃんの細腕繁盛記です。つばきちゃんは頭がキレて、竹を割ったような清清しい性格の江戸っ子でとても好感が持てます。若い女が店を切り盛りするには、様々な苦労、困難があり、それを乗り越えていくつばきちゃんを思わず、応援したくなってしまいます。
そうです、話の中身自体は悪くないのです。しかし、ストーリーの構成というか、作りがイマイチなのです。出だしの方で、つばきちゃんが子どもの頃に見知ったオジサンに遭遇、そのオジサンとの会話をしながら「そういえば、昔、こういうことがあったのであった」と、回想形式で展開していくのです。回想シーンがそれなりのボリュームで続いて、せっかくストーリーに入りこんでいるところで、忽然と、オジサンとの会話に復帰。そして、ちょっとしゃべったかと思うと、またまた、「実は、あんなこともあったのである」みたいな調子で、何度も、時空を行ったり来たり。その上、回想するのが10年以上も前だったり、ほんの数年前だったり-。
「もう、訳わかんない!」って絶叫するほどではないのですが…でも、素直に、時系列でストーリー展開してくれた方が、もっと、気持ちを入れ込んで読めるような気がするのです。つばきちゃんが好きになれたのに、小説全体としては、ちょっと惜しい!!って感じです。