横浜市公開条例の非開示事由の適用について、東京高裁で裁判が結審します。
傍聴での応援をお願いします。
東京高等裁判所 1月28日 15:00~
511号法廷
事案の概要は、教員の「勤務成績に関する報告及び意見(内申)調書」の「人数(小計)」欄の開示を求めたところ、
(1頁に16人の教員の成績一覧の最後の小計欄・・・ex評価1が2人、評価2が7人・・・評価5が3人)
公正かつ円滑な人事の確保に支障を及ぼすおそれがある、として非開示になりました。
なぜ、その小計欄を開示すると支障があるのかが不明です。
しかも、その前年度までは、市は同じ情報を開示していたのです。
(その一覧表が最終頁で教員がひとりであるような、開示によって個別の教員の成績が明らかになる場合には、開示はもとめていません。)
最終陳述として下記のようなことを示す予定です。
1 情報公開制度の下では、開示することが「原則」であり、非開示の処分はあくまで「例外」であるから「非開示情報」の範囲については限定的に解釈・運用される必要がある。
本件で、横浜市は条例第7条第2項第6号の非開示事由「公にすることにより、……公正かつ円滑な人事の確保に支障を及ぼすおそれ」に当たるとする。
裁判所は、本件で求める情報、すなわち「勤務成績に関する報告及び意見(内申)調書」の「人数(小計)」欄を開示したときに、公正かつ円滑な人事の確保に支障を及ぼすおそれがあるのか否かを判断すべきである。もとより、控訴人は小計欄の開示によって個別の教員の成績が明らかになる場合には、開示はもとめていない。
そのような場合にも、開示によって公正かつ円滑な人事の確保に支障を及ぼすおそれがあるというのであれば、その機序(メカニズム)を明らかにすべきである。
そうでなければ、「公正かつ円滑な人事の確保に支障のおそれ」がという不透明な要件で、いかようにも情報は非開示とされるからである。
2 情報を公開した際の不利益の判断において、市は、「モザイク・アプローチ」すなわち「情報Aそれ自体を開示しても、不開示規定が防止しようとしている不利益が生ずるわけではないが、すでに公になっているか又は公衆が入手可能な他の情報Bと組み合わせることによって、不開示規定が防止しようとしている不利益が生ずる場合には、Aを不開示にしうるとするもの」という理論を使って、非開示の範囲を広げる主張をする。
しかし、条例は本非開示事由(6号)について、そのような理論を用いることを認めていない。
にもかかわらずこの適用の拡大を主張されるのは宇賀克也東大教授であるが、
このような主張は一般的なわけではなく、右崎正博教授は情報公開の原則に反する解釈であると強く批判をしている。
ちなみに、宇賀教授は、先般成立した特定秘密保護法の運用基準を策定する際に意見を聴取する有識者会議「情報保全諮問会議」のメンバーのひとりに選ばれた学者であり、秘密保護法容認派の立場の方と評されていることには留意されたい。
3 最後に、国民の多くの反対を押し切って特定秘密保護法が成立して間もない。
この段階で東京高等裁判所が条例の非開示事由の該当性を判断するについて、
知る権利を守るという原則に従って判断するのか、秘密拡大の動きの先取りをして曖昧な理由で知る権利を制約する方向で判断するかは、
大きな関心が集まるところである。
人権の砦としての姿勢を示していただくことを強く希望する。
傍聴での応援をお願いします。
東京高等裁判所 1月28日 15:00~
511号法廷
事案の概要は、教員の「勤務成績に関する報告及び意見(内申)調書」の「人数(小計)」欄の開示を求めたところ、
(1頁に16人の教員の成績一覧の最後の小計欄・・・ex評価1が2人、評価2が7人・・・評価5が3人)
公正かつ円滑な人事の確保に支障を及ぼすおそれがある、として非開示になりました。
なぜ、その小計欄を開示すると支障があるのかが不明です。
しかも、その前年度までは、市は同じ情報を開示していたのです。
(その一覧表が最終頁で教員がひとりであるような、開示によって個別の教員の成績が明らかになる場合には、開示はもとめていません。)
最終陳述として下記のようなことを示す予定です。
1 情報公開制度の下では、開示することが「原則」であり、非開示の処分はあくまで「例外」であるから「非開示情報」の範囲については限定的に解釈・運用される必要がある。
本件で、横浜市は条例第7条第2項第6号の非開示事由「公にすることにより、……公正かつ円滑な人事の確保に支障を及ぼすおそれ」に当たるとする。
裁判所は、本件で求める情報、すなわち「勤務成績に関する報告及び意見(内申)調書」の「人数(小計)」欄を開示したときに、公正かつ円滑な人事の確保に支障を及ぼすおそれがあるのか否かを判断すべきである。もとより、控訴人は小計欄の開示によって個別の教員の成績が明らかになる場合には、開示はもとめていない。
そのような場合にも、開示によって公正かつ円滑な人事の確保に支障を及ぼすおそれがあるというのであれば、その機序(メカニズム)を明らかにすべきである。
そうでなければ、「公正かつ円滑な人事の確保に支障のおそれ」がという不透明な要件で、いかようにも情報は非開示とされるからである。
2 情報を公開した際の不利益の判断において、市は、「モザイク・アプローチ」すなわち「情報Aそれ自体を開示しても、不開示規定が防止しようとしている不利益が生ずるわけではないが、すでに公になっているか又は公衆が入手可能な他の情報Bと組み合わせることによって、不開示規定が防止しようとしている不利益が生ずる場合には、Aを不開示にしうるとするもの」という理論を使って、非開示の範囲を広げる主張をする。
しかし、条例は本非開示事由(6号)について、そのような理論を用いることを認めていない。
にもかかわらずこの適用の拡大を主張されるのは宇賀克也東大教授であるが、
このような主張は一般的なわけではなく、右崎正博教授は情報公開の原則に反する解釈であると強く批判をしている。
ちなみに、宇賀教授は、先般成立した特定秘密保護法の運用基準を策定する際に意見を聴取する有識者会議「情報保全諮問会議」のメンバーのひとりに選ばれた学者であり、秘密保護法容認派の立場の方と評されていることには留意されたい。
3 最後に、国民の多くの反対を押し切って特定秘密保護法が成立して間もない。
この段階で東京高等裁判所が条例の非開示事由の該当性を判断するについて、
知る権利を守るという原則に従って判断するのか、秘密拡大の動きの先取りをして曖昧な理由で知る権利を制約する方向で判断するかは、
大きな関心が集まるところである。
人権の砦としての姿勢を示していただくことを強く希望する。