杉浦 ひとみの瞳

弁護士杉浦ひとみの視点から、出会った人やできごとについて、感じたままに。

東電の情報隠蔽~冷水ポンプは地震で壊れた

2013-09-22 11:18:18 | 原発問題
2013年9月22日の赤旗に元福島原発で技術者として働いていた木村俊雄さんの記事がありました。

木村さんは、東京電力“福島第1原発は津波の前に地震で重要機器が壊れたのではないか“との疑問を持ち
公開質問状を東電に提出し、出し渋っていた東電からやっと開示をうけたデータを分析したところ、
地震直後に冷却水取り込みのポンプが止まっていたことがわかりました。

これによって、東電が説明していた「地震から(約50分後に来た)津波によってポンプが壊れた」は
事実ではなかったことが明らかになりました。
つまり、津波対策だけでは対策にならないということが明らかになったということです。
そして、東電が真実を隠していたことが明らかになったということです。

 東電は、原発の再稼働をいいながら、
今回の原発事故のような深刻な事故を起こさないための対策として必要な原因の分析を怠る
あるいは原因に対応した対策をとらないままで
これからもこの地震国で原発を動かしていくつもりであることがはっきりしたことになります。

 原発事故によって起こった被害、そして今なお収束せずに起こっている被害に対する認識は
どうなっているのでしょう。
怒りよりもあきれる思いですが、でも、そのことをつたえていかなければならないと思いました。


そのほかに、かつて福島原発を作るに当たった技術者の方に次のようなことをおしえていただきました。
原発に地震対策をするのでは足らず、やはり、原発は止めなければならないと強く思いました。

原発問題には次のような種類があります。
1.フクシマやチェルノブイリのような環境に大量の放射能を放出する大事故を起す
2.事故は起さないが運転中に低レベルの放射能を環境に放出する
3.運転を継続するには保守・点検・補修などの維持作業に携わる人々が被ばくする
4.運転をすれば、人間が処理処分できない使用済核燃料(高レベル放射性物質)を生み出す
5.運転を永久に止めても、過去に原発によってつくられた放射性物質(低レベル・高レベルとも)
  安全な保管・処分方法が見つかっていない。
原発問題を解決するには、上記の各種の問題をそれぞれ解決しなければなりません。
ですから「地震によって機能喪失しない重要な機器」をつくったとしても、
上記の第1項を解決に寄与するのみで他の2~5には寄与しません。

しかも、第1項に対しても「必要条件」でしかなく、「十分条件」ではないのです。

再起動をしなければ、1~4の問題の解決にかなり寄与します。
ただ、再起動が阻止できたとしても、それらの問題を完全に解決できないのは、
使用済燃料プールに、沢山の使用済燃料が既に沢山溜まってしまっていて、
その使用済燃料が破損した時にはやはり大量の放射能が環境に放出される
可能性が残るからです。

 また、止まっていても、原発の保守・点検は続きますから、作業員の
被ばくや汚れた作業衣類の洗濯廃液などの低レベル放射能の環境放出は
続きます。


原発は手に負えないものだ、ということを国民の命や健康を守るべき国が
もっと真摯に捉えるべきだと思います。

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1 コメント

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再稼動しないだけではだめ (松下六郎)
2013-09-23 09:22:49
再稼動しないだけでは、大事故は避けられません!原発には使用済み核燃料棒が、膨大な量、水で冷却され続けています。福1-4号機がそうでした。使用済み核燃料棒の方が、使用前の燃料棒より1億倍程度危険です。出来る限り早く、全ての原発は廃炉にするしか安全な道はありません。再稼動しなければ「安心」ではありません!!!
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