斬られ役一筋とよく言いますけれども、この方もそんな役者さんの一人。
いかつい風貌で、演じる役は現代劇ならほぼ間違いなくヤクザ、時代劇なら悪い浪人者とか用心棒。
ただこの方の場合、本物の居合の達人でもあったので、それを生かした凄腕の浪人者は得意中の得意な役でしたね。萬屋錦之介さんなどは、佐藤さんがあんまりうますぎるので、「京ちゃんとやるときは、一手二手くらいですぐに」斬ってしまうと発言しています。あまり長く打ち合っていると、相手の方が自分より上手いのがバレてしまうからそうです(笑)
若山富三郎など、多くの時代劇スターに重宝がられた。そんな佐藤さんの居合が堪能できる名シーンが、映画『雲霧仁左衛門』(監督・五社英雄)での、仲代達矢さんとの一騎打ちのシーン。
※残酷なシーンがあるので注意
本物の刀は重いので、こんな風に素早くクルクル回せないと、ご本人は語っておりましたが、ケレンの好きな五社監督にはえらく気に入られたようです。ここでも仲代さんは一手だけですよね。あんまり長くやると、佐藤さんの方が上手いのがバレてしまいますから(笑)
この方の晩年がよくわからない。亡くなられたことは確かなようですが、没年等の資料がなく、はっきりしません。
一体どんな晩年をすごされたのか、いずれにしろ、往年の時代劇を支えた名バイプレーヤーのお一人であることは
間違いない。
あと細かいことだけど、血糊が吹き出すタイミングを間違えているし、でも撮り直しはきかないし、大変な撮影だったと思います。
佐藤さんは最後、泥の田んぼに顔から突っ込んでるし、ホントご苦労様ですと言いたいですね。
せめて仲代さんがあと一秒早く刺していれば説得力があるのですが…。ナンチャッテ。
そうなのですか、もうお亡くなりに…
ご冥福をお祈り致します。