鋭い鉤爪に胸部から腹部にかけては丸鋸。トンガッた鶏冠にサングラスのような目。
まるで髪の毛を逆立てたパンク・ロッカーのようです。ヘヴィ・メタルではないなあ、やっぱりパンクだ(笑)。
それまでの東宝怪獣には無かったタイプです。どちらかというとウルトラ怪獣に近い。このガイガンの存在が、この作品最大の魅力でしょう。
他には特に……無いかも。
ゴジラは人類の味方に完全にシフトし、宇宙の侵略者や宇宙怪獣と戦う。子供向け映画としては良く出来ています。キャラクターの色分けも分かりやすいし、ストーリーも難しくはない。
そこはかとない「文明批評」が込められているところが、東宝怪獣映画としての意気地でしょうね。
侵略者、M宇宙ハンター星人というのは、その正体がゴキ★リなんです。お食事中の方には失礼。
彼らの母星、ハンター星は、かつて人類と同じタイプの生物が物質文明を謳歌していたけれども、度重なる環境破壊によって、ついに滅びてしまった。その後、生態系が激変し、ほとんどの生物が死滅した中、ゴキちゃんたちはしぶとく生き延び、独自の進化を遂げ文明を構築しました。
しかしハンター星自身の寿命が尽きようとしており、ゴキちゃんたちは、新たな住処を求めて地球へとやってきたというわけです。
地球だってこうならないとは限らない、という警告が、薄らとではありますが込められているわけです。
思い返せば、この頃辺りから、巷では小松左京のSF小説『日本沈没』が話題に上り始め、『ノストラダムスの大予言』が流行り始めたのもこの頃からだったように思う。
そこはかとない、未来への不安。それでも70年代初めはまだ、そんなことがあるとしても、遠い先のことだという余裕があった。
これが70年代後半から80年代にかけて、特にサブカルにおいてはにわかに「終末思想」というものが現実味を帯びて、私の前に迫り始めた。
私と同世代の方々は、そういう時代を生きてきたのですよね。
それは蔭になり日向になりつつ、私の人生の歩みに少なからぬ影響を与えて来たのだなあ…。
なんかね、映画の内容よりも、そんなことばっかり考えていました。
そんな我が人生の流れの中、今の私がいる。未来の私もいる。
これでよかったのだ、結果オーライだ。という人生にしたいね。
そのためには今が大事。今を大切に生きなきゃね。
…なんだか映画と関係ない話になっちゃった。これでいいのか?
いいんだよ、「ユラユラ語り」なんだから。結果オーライさ…(笑)。
『地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン』
制作 田中友幸
脚本 関沢新一
音楽 伊福部昭
特殊技術 中野昭慶
監督 福田純
出演
石川博
梅田智子
菱見百合子
高島稔
藤田漸
西沢利明
村井国夫
中島春雄
中山剣吾
昭和47年 東宝映画
想えば遠くに来たもんだ~?。(ToT)。怪獣とウルトラマンは、心自分の中にいるな~と思いました。薫風亭さんの考えと心の描写が大好きです。生きているて感じですかね?
何が無くとも、心の自由と空想いは、どこまでも飛びたいと空想しました。お疲れ様です。ありがとう御座います。m(__)m。