風の向くまま薫るまま

その日その時、感じたままに。

テレビ時代劇『大忠臣蔵』昭和46年(1971)【第1話】~【第4話】

2019-04-10 12:09:05 | 時代劇

 

 

 

 

 

このドラマ、凄いです!単に出演者が豪華とか、金が掛かってるとかいうことだけではなく、ストーリー構成が非常によくできていてわかりやすく、面白い。

 

ある意味、今までみた忠臣蔵の中で、一番の傑作かもしれません。

 

 

では

【第1話】風雲はらむ赤穂城 脚本 高岩肇 監督 土居通芳

【第2話】渦巻く黒い霧 脚本 高岩肇 土居通芳 監督 土居通芳

【第3話】美しき士魂 脚本 宮川一郎 監督 村山三男

【第4話】耐えがたき日々 脚本 宮川一郎 監督 村山三男

の、ストーリーをダイジェストで。

 

 

 

元禄13年、播州赤穂では藩主・浅野内匠頭長矩(尾上菊之助、現・尾上菊五郎)と阿久利の方(佐久間良子)との婚礼の儀が厳かにおこなわれていた。御浜奉行・不破数右衛門(新克利)の指揮の下、祝いの歌を歌い踊る領民たち。城代家老・大石内蔵助(三船敏郎)がこれに太鼓を叩いて花を添える。

赤穂藩全体が祝いの宴で華やいでいるころ、一方の江戸ではー。

時は徳川家第5代将軍・綱吉の治世。将軍の御側御用人である柳沢吉保(神山繫)の下に権力は集中、賄賂や不正が横行していた。この柳沢の取り巻きの一人が、高家筆頭・吉良上野介(市川中車)で、吉良の領地では塩を作りこれを販売していたが、赤穂の塩に押されまったく売り上げが伸びない。そこで上野介は、赤穂の製塩法【釜入れの秘伝】を奪おうと画策します。

まずは吉良家用人・松原多仲(神田隆)を赤穂藩に派遣、塩作りの最高責任者である赤穂藩家老・大野九郎兵衛(伊藤雄之助)に面会し、製塩法を教えるように頼み込みます。これには御側御用人の柳沢様の後押しもあると、暗に権力を笠に着た脅しをかけますが、赤穂の藩士や領民たちの血と汗と涙の結晶である製塩法を教えることなどできるわけがないと、大野はこれをつっぱねます。大野は当然のことをしたまでと、このことを大石その他誰にも告げませんでした。これが後々大きな禍根となるのです。

ならばと今度は、金で雇った無頼旗本たちを塩倉に潜入させ、秘密を探ろうとしますが、不破数右衛門がこれを発見し、斬り殺してしまいます。

侵入した者達が直参旗本であったことが問題となりますが、大石がこれに不信を抱き、不破を表向き責任を取らせるかたちで御役を解き、真相を探らせます。

この時点で、大野が大石に、事の顛末を語っていれば良かったのですが、この二つの事象を結び付けて考えることが出来なかったため、やはり大野は何も告げず、故に状況はますます混迷していくこととなるのです。

一方江戸では、製塩法を入手できなかったことに腹を立てた吉良が、自身が勅使饗応役の指南役の立場にあることを利用し、浅野内匠頭を饗応役に任命してこれに辛い仕打ちを与えることで、製塩法を奪取しようと画策、柳沢もこれに乗り、黒い陰謀が着々と進められていくことになるのです。

 

勅使饗応役に任命された浅野内匠頭は、吉良上野介に指南を賜ろうとしますが、吉良はこれを冷たくあしらい、なかなか教えようとはしない。そうして進物を届けにきた赤穂藩士に「こんなものはいらん。儂は塩が欲しい」と、暗に製塩法を教えろと謎を掛けるのですが、大野のところで話が止まっていたため藩士たちはこの意味を図ることができず、むしろ「吉良様は云われていたほど強欲ではないのう」と喜び、馬鹿正直に塩を20俵、吉良に送ってしまう。

これに上野介は当然激怒します。コケにされたと思い込み、内匠頭に対する圧力を益々強めていきます。

 

度重なる上野介の「いじめ」。饗応役の宿泊所の調度品や料理について嘘を教えられますが、吉良は信用できないとする赤穂藩士・片岡源五右衛門(江原真二郎)や赤埴源蔵(フランキー堺)らの機転によって2種類用意することで事なきを得ていきます。

 

しかし、宿泊所の畳をすべて新品に取り換えることを知らされておらず、これを勅使が到着する前日の夜に知り、藩士たちは動揺しますが、堀部安兵衛(渡哲也)が旧知の畳職人たちに頼み込み、江戸在府の藩士たち総掛かりで宿泊所の畳300畳を、一晩のうちにすべて新品と取り換えることに、ぎりぎり間に合ったのです。

 

いったいなぜ、吉良はここまでひどい仕打ちをするのか、わけがわからないため内匠頭の心痛は増すばかりで、吉良への怒りと憎しみが募っていきます。しかし短慮はならぬ。あと数日、あと数日の辛抱だ……。

 

その頃赤穂には、殿が無事大役を全うすることをひたすら願う、大石の姿がありました。<つづく>

 

 

 

 

 

ストーリーがよく出来ていますね。吉良方の野望とそれに翻弄される赤穂との描写が実にスリリング。基本的に吉良・幕閣が悪で赤穂が善という図式も分かりやすいし、実に面白く先の展開が楽しみで飽きさせない作りなっていると思います。

いや、見事なストーリーに感服しました。これは最後まで見なけりゃ収まりませんね(笑)

 

三船敏郎演じる大石内蔵助は、良く描かれる「昼行燈」といった風情ではなく、むしろ厳しくも慈愛に溢れた切れ者として描かれています。確かに三船さんに昼行燈は似合わないかもしれませんね。

市川中車演じる吉良上野介がまた良いですね。強欲で尊大で意地の悪い人物を、実に見事に憎々しく演じております。

 

その他、神山繫演じる柳沢吉保の「食えない」感じ。渡哲也演じる堀部安兵衛の一途さ。

 

伊藤雄之助はその独特の「長い顔」を生かし、大野九郎兵衛という善玉か悪玉かよくわからない人物を、実に面白く見せています。いや、出演者の方々皆素晴らしい!

 

 

これは面白い作品に巡り合えました。ていうか、いままで見たことがなかったなんて、我一生の不覚であります(笑)いや、そんな風に思えるほどに、

 

これは面白いです。

 

何が何でも、最後まで見なけりゃなりませんね、これは、それまでは、

 

 

絶対、死ねないわ!

 

 

 

 

 

『大忠臣蔵』

出演

大石内蔵助 三船敏郎

浅野内匠頭 尾上菊之助(現・尾上菊五郎)

大石りく 司葉子

阿久利 佐久間良子

堀部安兵衛 渡哲也

堀部弥兵衛 有島一郎

不破数右衛門 新克利

磯貝十郎左衛門 長谷川明男

矢頭右衛門七 田村正和

矢頭長助 加藤嘉

片岡源五右衛門 江原真二郎

赤埴源蔵 フランキー堺

大石主税 長澄修

松原多仲 神田隆

浜子頭・和助 堺佐千夫

畳屋・米吉 柳谷寛

二郎吉 坂上二郎

金三 萩本欽一

与助 関敬六

お松 玉川スミ

徳川綱吉 高橋昌也

柳沢吉保 神山繫

大野九郎兵衛 伊藤雄之助

 

吉良上野介 市川中車

昭和46年 三船プロ NET(現・テレビ朝日)