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 風の向くまま薫るまま

その日その時、感じたままに。

時代劇映画BEST10!

2020-04-23 11:22:22 | 時代劇

 

 

 

 

 

テレビ時代劇に引き続き、今度は時代劇映画の個人的ベスト10をご紹介いたします。

なにかと家にいることの多い昨今、ゆっくりと時代劇を楽しむのも一興かと。

 

では、早速。

 

 

 

 

第10位:『るろうに剣心』2012

監督、大友啓史。出演、佐藤健。武井咲。吉川晃司。蒼井優。青木崇高。江口洋介。香川照之。

 

この作品を時代劇として認めないという、往年の時代劇ファンもおられるでしょう。よくわかります。ただ私は、漠然とですがこの作品に時代劇の未来を鑑みるヒントのようなものが、あるように思われます。ただしこの作品における殺陣、というよりアクションは、しっかりと世界観が構築されたこの作品内だからこそ、生きるもの。この作品以降、似たような「疑似時代劇」が何本か制作されたが、いずれも低レベル。そういう意味では、現実は厳しい。

 

 

 

第9位:『たそがれ清兵衛』2002

原作、藤沢周平。監督、山田洋次。出演、真田広之。宮沢りえ。田中泯。岸恵子。

 

真田広之も良いですが、この映画一番の功績者はなんといっても宮沢りえ。この時代の武家の女性の、凛とした気品を見事に演じていました。たすき掛けをする動きの無駄のなさは、真田広之の殺陣よりも見ごたえがあった、と言っては語弊があるかな(笑)耐える、耐え忍ぶ、この時代の日本人の美しさには深く感じ入るものがある。舞踏家・田中泯の俳優としての資質を発掘した点でも、見逃せない一本。

 

 

 

第8位:『人斬り』1969

監督、五社英雄。出演、勝新太郎。仲代達矢。石原裕次郎。三島由紀夫。

 

幕末、土佐の「人斬り以蔵」と称された男、岡田以蔵を勝新さんが演じた作品。勝新さんの躍動感溢れる演技、もちろん殺陣も凄まじい。仲代達矢は土佐勤王党党首、武市半平太役で出演。以蔵の「人斬り」の才能を利用する、冷徹かつ狂気な政治家を演じています。仲代さんはこういう役がハマりますねえ。石原裕次郎は以蔵の旧友、坂本龍馬役で出演、裕次郎さんは役云々というより、とにかくカツラが似合わない!この方は時代劇には合いませんね。そしてなんといっても三島由紀夫。薩摩の「人斬り」田中新兵衛役で出演。最期の割腹シーンは、後のことを知っているだけに、少々背筋が寒くなるものを感じます。座頭市以外での、勝新さんの殺陣が楽しめる一本。

 

 

 

第7位:『御用金』1969

監督:五社英雄。出演、仲代達矢。中村錦之助。丹波哲郎。浅丘ルリ子。

 

 

海に消えた幕府御用金。村人が丸ごと「神隠し」にあった漁村……。物語はサスペンス・タッチで始まり、やがて物語は、裏で暗躍する丹波哲郎、これを阻止せんとする仲代達矢、さらには御用金の行方を探る幕府隠密の中村錦之助が加わり、スリリングな展開へと発展していきます。その展開には思わず見入ってしまう、見事な娯楽作品に仕上がっています。撮影は極寒の津軽で行われ、仲代さんは木に吊るされたり、雪の中に埋められたり、切り立った崖を登らされたり、メチャメチャ身体張って頑張ってます。

 

 

 

第6位:『魔界転生』1981

原作、山田風太郎。監督、深作欣二。出演、千葉真一。沢田研二。緒形拳。室田日出男。真田広之。若山富三郎。佳那晃子。丹波哲郎。

 

 

柳生十兵衛vs宮本武蔵、柳生十兵衛vs柳生但馬守宗矩など、時代劇ファンなら一度は見てみたいと思う夢の対決を実現させた一編。沢田研二演じる天草四郎の妖艶さ。緒形拳演じる老宮本武蔵は、どこか哀しい。そして若山富三郎演じる但馬守、若山さんは「要するにオバケだろ?」ということで、瞬きを一切しない演技で臨み、その不気味さは魔界衆の中でも群を抜いています。その若山但馬守と千葉十兵衛との、激しく燃え盛る炎の中での決斗シーンは、映画史に残る名シーンだと断言します。あんな危険な撮影、今じゃ出来ないんじゃないかな。

 

 

 

第5位:『椿三十郎』1962

原作、山本周五郎(『日々平安』より)。監督、黒澤明。出演、三船敏郎。仲代達矢。加山雄三。平田昭彦。田中邦衛。志村喬。藤原鎌足。入江たか子。伊藤雄之助。

 

 

三船敏郎と仲代達矢との、ラストシーンでの一騎打ちは、世界の映画史に残る、未だに語り継がれている迫力の名シーン。三船さん演じる三十郎の、バケモノじみた強さが強烈なインパクトをもって迫ってくる。こんな殺陣の出来る人、もういない……。緊迫感溢れる中、入江たか子さんや伊藤雄之助さんらの、ユーモラスでゆったりした、柔らかい雰囲気が映画に緩急を与えており、このバランス感覚の見事さはさすが世界のクロサワ。是非にも見て欲しい一本。

 

 

 

第4位『山桜』2008

原作、藤沢周平。監督、篠原哲雄。出演、田中麗奈。東山紀之。篠田三郎。村井国夫。檀ふみ。富司純子。

 

 

田中麗奈ちゃんの「目」がなければ、この映画は成立しなかった。登場人物は必要最低限の事以外、基本的に喋らない。己の気持ちは心の内に秘めている。その分演者たちは、ちょっとした表情やしぐさ、目の動きなどで、心の内を表現していく。喋らずとも、ちゃんと心の動きが分かるように演出されているのが素晴らしかった!藤沢周平時代劇のもつ、耐え忍ぶことの美しさ。ヒガシ演じる真っすぐな青年武士と、田中麗奈演じる出戻りの武家の女性との、口に出されることのない、ほのかに秘められた恋情……。この時代の日本人は本当に美しかった。そんな感慨に耽る一本。

 

 

 

第3位『羅生門』1950

原作、芥川龍之介。監督、黒澤明。出演、三船敏郎。森雅之。京マチ子。志村喬。千秋実。上田吉二郎。

 

 

映画ファンならば当然知っているべき、名作中の名作。人間の汚さ、狡さ、弱さ、儚さを描きつつ、最後に一筋の希望を見出して終わる珠玉のラストシーンは、時代を越えて心を打つ。あまり多くは申しません。黙って観ろ!そして感じろ!

 

 

 

第2位:『十三人の刺客』1963

監督、工藤栄一。出演、片岡千恵蔵。里見浩太朗。嵐寛寿郎。西村晃。山城新伍。内田良平。菅貫太郎。

 

 

いわゆる「集団抗争時代劇」の魁。追う者と追われるものとの探り合い、駆け引き。一つの要塞と化した宿場町での大抗争シーンの凄まじさ。血沸き肉躍るとはまさにこのこと。男たちの命がけの死闘に酔いしれよ!

 

 

 

第1位『用心棒』1961

監督、黒澤明。出演、三船敏郎。仲代達矢。東野英治郎。志村喬。藤原鎌足。山田五十鈴。土屋義男。加東大介。司葉子。

 

 

三船敏郎の凄まじい殺陣の実力を、強烈に印象付けた最初の作品。これあってこその『椿三十郎』なわけだし、ストーリーもこちらの方がよりシンプルで入りやすい。もう言葉なんていらないね。映画は娯楽、理屈抜きで楽しめる珠玉の傑作時代劇。四の五の言わずに見やがれってんでえ!

 

 

 

そして、これら傑作郡をすべて抑え、頂点に君臨する時代劇のCHAМPIONといえば、もうわかるよね、こちらの作品。

 

 

 

👑CHAМPION:『七人の侍』1954

監督、黒澤明。出演、三船敏郎。志村喬。加東大介。千秋実。稲葉義男。宮口精二。木村功。土屋義男。左卜全。山形勲。高堂国典。

 

 

上映時間3時間半。しかし全く飽きることなく一気に観させてしまう見事さね。アクションとしての時代劇と、人間ドラマとしての時代劇と、どちらも優れている珠玉の一本!これ以上の作品はないと、敢えて断言しよう。こういう作品がある、日本の時代劇というものを、私は心から誇りに思う。

 

 

 

 

時代劇映画ベスト10、いかかがでしたか?

では、また

 

機会があれば次回。


「狂気」と「才気」

2020-04-20 11:38:52 | 時代劇

 

 

 

 

 

昨日の『麒麟がくる』。聖徳寺での斉藤道三(本木雅弘)と織田信長(染谷将太)との会見シーン、素晴らしかったです!

 

染谷信長の持つ「狂気」の裏側に、本木道三は類まれなる「才気」を見る。古いものを打ち破り、新しいものを作り上げようと足掻く姿を見るんです。道三はそこに、己との共通点と、己以上の将来性のようなものを見たのでしょう。

「大したうつけじゃ!」とは、道三にとって最大の賛辞でした。

 

このお2人の「狂気」の演技対決、「才気」溢れる対決は見ごたえありましたねえ。

 

一方、道三の息子、斉藤義龍(伊藤英明)はよく云えば当時としてはまっとうな常識人。悪く言えば凡庸。油売りから成り上がったという家の出自にコンプレックスを持っており、自分は本当は道三の子供ではない、源氏の血を引く美濃の守護・土岐頼芸(尾美としのり)こそ自分の本当の父親だと思い込むようになっていく。

しかしその土岐頼芸は道三の策略によって美濃を去り、さらには義龍の母・深芳野(南果歩)の突然の死。

二人の溝は、決定的なものとなっていく……。

 

 

「狂気」と「才気」は紙一重。なんて言葉があるかどうかわかりませんが、歴史というものを俯瞰しておりますと、時代を動かすのは「才気」を伴った「狂気」なのだなということに気づかされます。

 

信長の「狂気」が戦国の世を動かす。染谷信長の「狂気」

楽しみに観させていただきます。

 

今年の大河はホント、

面白い。

 

 

 

 


TV時代劇BEST10!

2020-04-14 12:37:16 | 時代劇

 

 

 

 

 

さあさ、ネタがない時のベスト10ってね(笑)お代は見てのお楽しみだよ(とらないけど)

さあ、入った入った。お客様ご案内~。

 

 

 

 

第10位:『三匹が斬る!』1987~1993

矢坂平四郎、通称「殿様」(高橋英樹)。久慈慎之介、通称「千石」(役所広司)。燕陣内、通称「たこ」(春風亭小朝)の3人が行く先々で悪党どもをバッタバッタと斬り倒す。勧善懲悪痛快娯楽時代劇。3人それぞれのキャラクターも面白いが、ストーリー全体もどこかコミカル。悪役さんたちも普段あまり見せない、コミカルな演技を見せてくれて楽しかった。とくに菅貫太郎さん、面白かったなあ。

『三匹が斬る!』『続・三匹が斬る!』『続続・三匹が斬る!』『また又・三匹が斬る!』『新・三匹が斬る!』と続き、93年の『ニュー・三匹が斬る!』以降メンバーが入れ替わってき、物語の求心力が一気に落ちて行ったのが残念。

 

 

 

第9位:『同心部屋御用帳 江戸の旋風(かぜ)』1975~1980

75年から80年まで、断続的に続いたシリーズ。その内容は時代劇のスタイルを借りた「刑事モノ」でした。刑事(同心)たちが一致団結して難事件に挑む。毎回のドラマは実にスリリングで面白かった。

出演は加山雄三。小林桂樹。近藤洋介。秋野大作。露口茂。渡辺篤史。潮哲也。沖雅也など。シリーズによって若干の異同あり。

 

 

 

第8位:『必殺仕置屋稼業』1975

必殺シリーズ第6弾。この作品から中村主水(藤田まこと)の姑・せん(菅井きん)と、妻・りつ(白木真理)の「せんりつ(戦慄)コンビ」が毎週登場するようになり、非情の殺しの世界にホームドラマ的要素が加わった、必殺シリーズのパターンを確立した最初の作品。シリーズ全体を語る上でも外せない傑作。

出演、藤田まこと。中村珠緒。沖雅也。新克利。渡辺篤史。

 

 

 

第7位:『木枯らし紋次郎』1972

中村敦夫演じる渡世人、紋次郎が旅先で出会う人々との関りを通して描かれる、ヤクザ・渡世人の悲哀、情けなさ、カッコ悪さ、狡さ、汚さ。しかしそんな中でも、紋次郎はやはりカッコイイ。その存在感はファンタジックであると言って良く、その象徴が口にくわえた長楊枝だと言って良い。時代劇とは、ファンタジーなのである。

「木枯し紋次郎、上州新田郷三日月村の、貧しい農家に生まれたという。10歳のときに故郷を捨て、その後一家は離散したと伝えられる。天涯孤独の紋次郎、なぜ無宿渡世の世界に入ったかは、定かでない」

 

 

 

第6位:『真田太平記』1985-1986

池波正太郎原作の小説をドラマ化した,一大大河ロマン。草の者たち(忍者)の活躍にもスポットを当てた、大河ドラマとは一味違った面白さがあった。夏八木勲、遥くらら等が演じる草の者たちは、いわゆる「忍者装束」は身に着けず、普通の一般庶民の姿で活動する。考えてみれば当たり前である。忍者装束姿の方がよほど目立つからね(笑)その草の者たちが、徳川家康(中村梅之助)を暗殺ぎりぎりまで追い詰める場面は、失敗するとわかっていても実にスリリングで素晴らしかった。また梅之助さんの家康が憎々しくて最高だった。真田昌幸に丹波哲郎、真田信幸に渡瀬恒彦、そして真田幸村には草刈正雄。皆さん最高でした!

歴史的名作!

 

 

 

第5位:『新・必殺仕置人』1977

必殺シリーズ第10弾。必殺シリーズ第一期黄金時代の頂点と捉えるファンも多い、シリーズ中屈指の人気作。特に山崎努演じる念仏の鉄の最期。ボロボロになりながら、佐藤慶演じる敵を殺し、死んでいくまでを描いた一連の場面展開は、テレビ時代劇屈指の名場面だと、強く私は言いたいね。

出演、藤田まこと。山崎努。中村嘉葎雄。中尾ミエ。火野正平。とりあえず「必殺」を観るなら、まずはこの作品から。

 

 

 

第4位:『御家人斬九郎』1995-2002

95年から02年まで、断続的に5シリーズが制作された。渡辺謙演じる貧乏御家人・松平残九郎と、それを取り巻く人々、出会う人々との人間ドラマである。必ずしも殺陣シーンがあるわけではなく、一度も刀を抜かないまま終わる話も多い。その物語はときに明るく、ときに哀しく、ときに悲惨。貧乏なのに母親(岸田今日子)が美食家なため、出て行く金が半端ない。それもあって「片手技」と称するアルバイトをしなければならない斬九郎の悲哀と可笑しみ。演じる渡辺謙が出色で、その演技力の確かさと、時代劇スターとしての素養を見事に見せつけた、渡辺謙の出世作という位置づけは、決して大げさではない。この後渡辺謙は『ラストサムライ』に出演、ハリウッド・スターへの階段を駆け上っていく。

 

 

 

第3位:『剣客商売』1998-2010

主人公・秋山小兵衛は、演者としては二代目中村又五郎さんが一番でした。しかしドラマとしては、この藤田まこと版が出色の出来。隠居した老剣客・秋山小兵衛とその一子・大治郎がときに激しく、ときに静かに世の悪を懲らしめる、その痛快さはこのシリーズが一番でした。秋山大治郎役が渡部篤郎から山口馬木也、佐々木三冬役が大路恵美から寺島しのぶへと、途中でチェンジされましたが、三冬に関しては、大路恵美さんの、一見背が小さくて可愛らしい感じと、剣の腕前の凄さとのギャップが面白く、比べて寺島しのぶさんはいかにもといった感じで、あまり以外性がない。個人的には大路恵美さんの方が好きでした。大治郎役は断然、山口馬木也さんがいい!あの偉丈夫でいかにも馬鹿正直な感じは大治郎そのもの。渡部さんは若干線が細いし、なにか一捻り裏がある感じがしてしまう。それは斎藤工も同様ですね。申し訳ないけど。

最近、北大路欣也主演による新シリーズがありますけど、なにか違うんだよなあ…。

 

 

 

第2位:『子連れ狼』1973-1976

萬屋錦之介演じる元公儀介錯人・拝一刀が、巨大な政治権力である裏柳生にただ一人立ち向かっていく爽快さ。宿敵・柳生烈堂(佐藤慶)との最後の対決シーンは数週間に亘って放送され、あんな贅沢な作りは、今のテレビでは無理ですね。70年代という、テレビ時代劇がもっとも面白かった時代に作られた、傑作中の傑作!拝一刀は一子・大吾郎を乳母車に乗せているわけですが、その乳母車が武器の宝庫で、乳母車の下面は分厚い鉄板で覆われ、下からの攻撃に耐えられるようになっている。その手すりは仕込み槍になっていて、不意に敵に襲われた時もこれを振るって敵を倒す。白眉は乳母車の前面、そこにはなんと!マシンガンが装備されていて、多数の敵に襲われた場合、これで一気に撃退するわけです。こんなこと現代劇では通用しませんが、時代劇なら通ってしまう。つくづく、時代劇とはファンタジーなのだなと思わせる、珠玉の傑作!

 

 

 

第1位:『鬼平犯科帳』1989-2002

鬼平犯科帳の主人公、長谷川平蔵はこれまで、初代松本白鴎、丹波哲郎、萬屋錦之介、そして中村吉右衛門と、4人の俳優によって演じられてきましたが、やはり一番は中村吉右衛門版でしょう。それまでの鬼平がハードボイルド・タッチだったのに対し、吉右衛門版は「江戸情緒」というものを前面に押し出した、人の「情」というものを中心としたドラマとして制作され、これが大成功の要因の一つとなったのは、間違いないと思われる。また鬼平以外のレギュラー陣も皆はまり役で、外れがほとんどないというのも凄い。特に密偵たち、小房の粂八役の蟹江敬三さん。大滝の五郎蔵役の綿引勝彦さん。相模の彦十役の江戸屋猫八さん。伊三次役の三浦浩一さん、おまさ役の梶芽衣子さん。皆さん完璧なはまり役で、素晴らしかった!ドラマも配役も申し分なし。こんな時代劇は二度と作れないだろうなと思うと、なにやら寂しい思いすらする。数あるテレビ時代劇の中で、最も優れた、最高のシリーズであること間違いなし!

鬼平犯科帳を見ることなしに、決して時代劇を語ってはならぬ!

 

 

 

 

 

『水戸黄門』『暴れん坊将軍』『遠山の金さん』などの定番時代劇は、あえて外しました。私の中ではベスト10に選出すべき作品とは別枠だと思っております。

 

テレビ時代劇ベスト10、いかがでしたか。では

 

また、いずれ。


帰蝶の「母性」

2020-04-13 09:51:20 | 時代劇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

昨日の大河ドラマ『麒麟が来る』またまた見どころ満載でしたね。

 

注目していたのは、佐々木蔵之介演じる藤吉郎、つまり後の豊臣秀吉初登場でしたが、まだ何とも言えないというところでしょうか。この作品なりの秀吉をどう見せてくれるかは、これからですね。

 

面白かったのは、川口春奈演じる信長の妻、帰蝶ですね。自身の実の父である斉藤道三(本木雅弘)が信長との会見を申し入れてきた。

さて、どうするか。

 

数ある信長のエピソードの中でも、特に有名な、斉藤道三との会見。信長(染谷将太)はその行列に何百という鉄砲隊を従え、自身は行列の真ん中で、傾いた派手な衣服を身に着け、柿かなにかをむしゃむしゃ食べながら、馬の上に胡坐をかいて座っている。

道三はこれを隠れて見ており、この行列のありように仰天するわけですが、いざ会見の場では、信長はきちっとした盛装に改めて、道三の前に現れ、道三はこれを気に入り、信長の味方に付くという有名な展開です。

 

今回の大河では、これをプロデュースしたのが帰蝶ということになっています。信長は周りに信頼出来る者がおらず、唯一、帰蝶にだけは心を寄せている。その傾倒ぶりは妻というより、母親に寄せる信頼に近い。

そして帰蝶もまた、信長にはある種、息子に寄せるような愛情を抱いているように見える。

 

母親の愛情に恵まれなかった信長は、帰蝶に母親を見たのでしょうね。

 

帰蝶は帰蝶で、信長を生かさなければ自分も生きないという現実も考慮していたにせよ、やはり信長に対しては、母親のような愛情を抱いていた。だからこそのプロデュースだった。

 

そんな風に、私には思えましたねえ。

 

帰蝶と信長との関係性の面白さ。これで帰蝶が、信長最期の時、本能寺の変の現場にいるであろうことが、ほぼ決定しましたね。そこで光秀(長谷川博己)と、どう対面するのか、今から楽しみです。

 

ホント、今年の大河は、面白い。

 

 

…とはいえ、現在撮影は休止状態、再開の目途も立たず、このままではどうなるかわからない。

 

致し方ないこととはいえ、今年の大河は、なにかと御難続きだねえ…。

 

 

 

 

 

陰陽座『魔王』2007

 

織田信長をモデルにした曲、『魔王』。アイアン・メイデンを陰陽座的に解釈したといった風な曲で、展開は複雑で長い。曲の途中で謡が入ったり、デス声が入ったりとバラエティに富んでおり、よく出来た曲です。

 

よく聴いてみると、デス声で「第六天魔王~」って言ってるんだよね。聴こえるかな~。


「ひとりぼっちの若君」って…

2020-03-22 21:37:53 | 時代劇

 

 

 

 

 

来たよウルトラセブン!

『麒麟がくる』第10回のサブタイトルが「ひとりぼっちの若君」これって分かる人にはわかるよね?

 

そう、これはウルトラセブン第29話「ひとりぼっちの地球人」を、明らかに意識したタイトル。

 

もう、NHKさんったら、「偶然です」とか言っておきながら、やっぱり意識してるやん!

 

いいぞNHK!もっとやれ!!

 

 

 

 

 

 

竹千代を演じる岩田琉聖くんの演技には、泣かされます。

 

前回、第9話「信長の失敗」で、慕っている信長(染谷将太)に邪険にされ、呆然と見送る竹千代。廊下に暫く立ち尽くした後、静かに背を向けて去っていく。その寂しげな背中ね。9歳のみそらで背中で演技するかい!

 

今回の竹千代もまた、良かった。信長は両親に愛されていないという感覚がずっとあって、それ故に奇異な行動をとる傾向があり、竹千代は幼い身で両親から離され、ずっと人質生活を送っている。

 

寂しい若君同士が将棋を通して心を通わせる。いいシーンでした。

 

信長は竹千代を一人の男として認め、訊ねます。竹千代を今川の下へ人質として出せという話を、どう思うかと。これに竹千代が答えます。

今川は敵、いつか討ち果たさなければなりませぬ。その敵をよく知るために、その懐に飛び込み、敵を見てみたい、と。

 

さすが、将来の徳川家康。幼少にして只者ではない。

 

演じる岩田くんは、このセリフの「意味」をちゃんとわかって演じてますもんね。たいしたもんですよ。

 

いや、泣いたなあ。

 

9歳にしてこの堂々たる演技。岩田琉聖、将来が楽しみ。

 

 

 

お駒さん(門脇麦)の身体能力の高さを、見せてくれましたね。

これはおそらく、お駒さんが後に、光秀に仕える間者(忍びの者)となることの布石ではないかと思われ、菊丸(岡村隆史)とは時に協力し合い、時に対立し合うみたいな感じになっていくのではないかな。

 

いやあ、また先々の楽しみが増えたね。

 

 

ホント、今年の大河は、

 

 

面白い。


映画『峠 最後のサムライ』60秒予告 9月25日(金)全国公開

2020-03-22 16:06:01 | 時代劇

 

 

 

 

 

 

幕末、戊辰戦争時の越後長岡藩家老・河井継之助を主人公とした映画『峠 最後のサムライ』が9月に公開されます。

 

子供の頃から人の言う事を聞かない頑固者で、歯に衣着せぬ物言いは時にトラブルを生んだ。しかしその一本気さが長岡藩主・牧野忠恭に信頼され、重用された。

 

戊辰戦争時には、新政府軍と旧幕府軍との調停を買ってでますが、交渉に訪れた新政府側の土佐藩士に対し、「会津藩を攻める客観的、合理的理由はない。これは薩長の私怨である」と正論を展開させ、相手側はこれに対し反論することが出来なかった。

そりゃそうだ、これが「正論」ですから。

 

しかし人間という奴は、正論を展開されると意地になってしまうという側面がある。ですから交渉する場合は、相手に対し「逃げ道」を作ってあげるのが常道ですが

河井継之助はそれをしなかった。というか、性格的にできなかったということでしょうか。

 

故に交渉は決裂。長岡藩は新政府軍の攻撃を受けることになります。

 

 

継之助は最新式の兵器類を輸入し、いざというときの備えを怠らずにいました。当時日本には3丁しかなかったガトリング砲、早い話がマシンガンですね。この日本に3丁しかなかったマシンガンのうち2丁を、長岡藩が所持していました。

その他最新式のライフル銃やアームストロング砲など、新政府軍に引けを取らない武器類を揃えていました。

 

和平交渉を進めながら、一方では戦いへの準備も怠りない。

「防衛」の基礎ですね。

 

新政府軍と長岡藩との戦争。いわゆる「北越戦争」は、初めのうちこそ長岡藩側有利に展開しますが、やはり圧倒的な「数」の差というものはいかんともしがたく、ついには長岡城を落とされてしまう。

さらに追い打ちをかけるように、藩内で一揆が発生します。この一揆鎮圧にも兵力を割かれ、新政府軍と十分な戦いが出来なくなってしまう。

 

長岡城奪還作戦を指揮していた継之助でしたが、敵の銃弾を足に受け、後退を余儀なくされてしまう。

この銃創の手当てが不十分であったため、継之助は破傷風を発症。会津へ逃走する途中に亡くなります。

 

色々と評価の分かれる人物だと思いますが、興味深い人物であることは確かです。

 

さて、映画ではどのように描かれるのでしょうか。

 

原作は司馬遼太郎『峠』。脚本・監督は小泉喬史。

主演は役所広司。役所さんは以前、山本五十六を演じていましたが、その山本五十六はこの越後長岡出身で、子供の頃、長岡の街が燃える光景を見た。

そんなシーンが、役所さんが山本五十六を演じた映画にありました。

 

これもまた「縁」ですねえ。

 

戊辰戦争のある意味「キーパーソン」といっていい人物、河井継之助を描いた映画『峠 最後のサムライ』は、本年9月25日公開!

 


菊丸の正体

2020-03-16 05:31:34 | 時代劇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

先週の予告編で、菊丸(岡村隆史)が跪いていた女性。

 

なんとなく、この女性は竹千代、つまり後の徳川家康の母親ではないのか、と直感したのですが。

 

 

当たりました~。(笑)

 

竹千代君と出会ったときのリアクション。三河の国への思いから、菊丸が三河出身だということは本当なのだろう。そこから推察されるのは、やはり

 

竹千代君を守るために遣わされた、忍びの者。

 

となると、にわかに真実味を帯びてくるのが、「菊丸服部半蔵説」ですが…。

 

 

私としては、菊丸は菊丸のままでいて欲しいですねえ。

 

ヘタに実在の人物の名を冠してしまうより、架空の人物のままの方が、自由に動かせて面白い気がします。

 

 

菊丸は是非、菊丸のままで

 

お願いしまーす。

 

ていうか、服部半蔵は抑々三河出身ではなく、伊賀者ですもんね。

 

 

 

それにしても、染谷信長、早くも怖さを発揮しましたね。

 

普段竹千代と親しく接していながら、その父親・松平弘忠殺害の命令を出してしまう怖さ。信長がピュアで領民想いの人物であることは、帰蝶との婚礼に遅れた理由からも分かる。しかし一方で、簡単に人を殺害する命令を出せてしまう恐ろしさ。なにか、自分の兄オオウスノミコトをあっさり殺してしまったヤマトタケルノミコトのような、ピュアであるが故の怖さを感じます。

 

今回の信長、ファザコンのような部分もあって、そのパーソナリティの組み立て方がなかなか面白い。

 

今後の信長の描かれ方に、興味津々。

 

 

しっかし、松平弘忠役の浅利陽介くん、もう殺されてしまうとは、絶句!

 

もうちょっと、観たかったなあ。


染谷信長、面白し!

2020-03-09 12:19:48 | 時代劇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今までの信長というと、大体粗野な感じで「オリャー!」とか喚き散らしているイメージが強かった。生の大根を齧りながら、馬に横座りしてる、みたいな。

以前、伊藤英明が信長を演じたときは、本当にただのチンピラみたいで(笑)「こりゃダメだ」と思ったものです。

 

しかし今回の染谷信長は違いますね。港に帰ってきて自ら釣った魚を捌き、切り身にして売る姿に、粗野な感じはなく、むしろとても穏やかで、染谷くんの童顔も相まって、フレンドリーにすら見える。

しかしそれと同時に、何やら得体の知れぬ深みのようなものを湛えており、見方によってはフレンドリーだが、見方によっては不気味ですらある。

 

十兵衛光秀が、その人となりを計り難ねたのも、無理からぬこと。

 

これからどのような信長が描かれるのか、楽しみ。

 

 

 

徳川家康の父、松平広忠を浅利陽介くんが演じてました。この役者さんもなかなかの曲者で(笑)好きなんですよね。いやあ、これまた今後の展開が楽しみだ。

幼少時代の徳川家康、つまり竹千代君は以前出てきましたね。十兵衛光秀とはすでに対面している。竹千代君が長じて家康になるわけですが、今回家康を演じるのは風間俊介くん。十兵衛との再会シーンがどの様に描かれるのか、先々の楽しみですね。

その竹千代と十兵衛が出会ったときに側にいたのが、岡村隆史さん演じる、謎の農民菊丸。次回の予告編に、この菊丸が、さる女性の前に跪き「命に代えてもお守りいたします」と誓っているシーンが!愈々菊丸の正体が明らかに!?

 

次回もまた、楽しみだ。

 

 

いやあ、今年の大河は、本当に面白い。


信長登場!

2020-03-02 13:15:15 | 時代劇

 

 

 

 

 

 

 

 

昨日放送の大河ドラマ『麒麟がくる』第7回「帰蝶の願い」。

 

ついに、光秀にとって「運命」の人。織田信長登場です。

 

漁師の姿で船上にある織田信長(染谷翔太)が、朝日を浴びながら港に帰ってくる。いままでの、どの信長にもない登場シーン。

信長という男の破天荒さを、これ一発で見事に表していますね。

 

同時に、海という「開かれた」ところから現れるということで、信長という男の「開明性」を表し、海の無い美濃から来た、秩序を重んじる生真面目な男、明智光秀(長谷川博己)との対比を表しているともとれますね。

 

今年の大河は、脚本がよく練られてる。思わず唸ってしまいます。史実とフィクションとをうまく煉り合せた、時代劇ドラマとしては極上の仕上がり。

 

今年の大河は、面白い。

 

 

信長役に染谷翔太くんというのも、今までの信長とはちょっとイメージが違う。新たな信長像が描かれるのではないでしょうか。これもまた楽しみ。

 

 

 

 

 

 

 

 

謎の農民、菊丸(岡村隆史)またまた不思議な登場の仕方でした。

光秀が潜入した尾張・熱田の市場で、なぜか商売をしているところを光秀と再会、信長の情報をなぜか知っており、それを光秀に伝えています。

 

要所要所で確実に光秀の前に現れ、さりげなく、しかし確実に光秀を助けている謎の男、菊丸。

 

はたして、菊丸の正体とは?

 

今年の大河は、キャラクターも面白い。

 

 

 

 

 

 

 

今年の大河の話題の一つに、サブタイトルがあります。

 

第1話のサブタイトルが「光秀、西へ」。これを見た時「ん?」とおもったんです。

「ウルトラセブンにあったな、こんなの」と

 

そう、神戸を舞台にした前後編のエピソード「ウルトラ警備隊西へ」です。

 

最初は偶然かと思ったのですが、その後、第4話「尾張潜入指令」これは「アンドロイド0指令」に被せたともとれるし、第5話「伊平次を探せ」は「明日を捜せ」、第6話「三好長慶襲撃計画」は「セブン暗殺計画」にそれぞれそっくりのサブタイトル!

 

円谷ファンならば「こっ、これは!?」と思ってしまいますね。

 

NHKは「単なる偶然」だと言っているようですが、せっかくここまで話題になったんだから、これからは「意図的に」似せて行くというのも、有りなんじゃない!?(笑)

 

ネット上では、最終回のサブタイトルを、セブンの「史上最大の侵略」に被せて、「史上最大の反逆」になるのでは?と予想する声もあるとか。どうせなら、そうしちゃえば面白い、と私もそう思いますが、果たしてどうなりますことやら(笑)

 

視聴者の皆さんもそれぞれに楽しんでおります。それだけ今年の大河は

 

面白い。

 

ということですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

帰蝶を演じる川口春奈、いいですね。何と云いますか「災い転じて福となす」といいますか「万事塞翁が馬」といいますか。

 

大正解でした。

 

 

 

 

こういう点も、今年の大河は面白い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いやホント、今年の大河は、

 

面白い。


佐藤健主演!映画『るろうに剣心 最終章 The Final/The Beginning』特報

2020-02-23 15:56:04 | 時代劇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マンガの実写化作品でこれほど成功した例は他にあるまい。ついに完結編公開!

 

今回の敵は雪代縁、演じるは新田真剣祐。

 

監督は大友啓史。我が岩手県は盛岡出身!その他、武井咲、青木崇高、蒼井優等、御馴染みレギュラーメンバーも出演。最終章ということで、以前の作品に出てた人たち、例えば四乃森蒼紫(伊勢谷友介)とか出てきたら面白いね。

 

佐藤健の殺陣は必見!こいつは夏まで待てねえや!