サナエが狂ってきた。
ウツで短期記憶の欠落も見られるが
時間の認識はあるし身の回りのことは自分でできているし
だから、服薬以外に介助は必要じゃなかった。
おかしくなってきたのは今年に入ってからだったか。
一日に何度も何度も風呂に入り
そのたびに着ているものをすべて洗濯する。
服薬介助のため訪問すると
いつも洗濯機が回っていて
着ているものがなくなった彼女はいつも
バスタオルで身を包むしかない状態。
お陰で水道代が異常なまでに膨れ上がり
給湯器はしょっちゅう“湯切れ”になっている。
ここまでは、確か以前にも書いた。
もう面倒見切れない!と
その時点で誰もが思っていたのだが
彼女が本当に狂ってしまうのは、実はここから先のことだった。
今年の夏。
「ねえ、台所の流しが詰まっちゃったんだんだけど」
そう言ってサナエが事務所にやってきた。
おかしい。料理しないのになぜ流しが詰まる!?
管理者が様子を見に行くと
なんと、流しに詰まっていたのは便だった。
いったいどうやったのか見当もつかないが
詰まりの原因が便であることに間違いない。
そのころから、サナエの狂った行動が日常となる。
部屋から漂ってくる強烈な便臭。
中に入ってみると
あるときは、浴室で排便している。
またあるときは、トイレで、ではあるが
しゃがみこんで便器の中の便を指でこねまわしている。
部屋には
トイレットペーパー代わりに使ったと思われる洋服が散乱し
ゴミ箱には便まみれになった布パンツが捨てられ
床には便を拭きまくった跡が残っていて…
もはや、彼女の着るものはない。
パンツの1枚もない。
とりあえず履かせてみたリハビリパンツだって洗濯してしまうのだから
もう、降参だ。
あらためて言うが、ウチは介護サービス付き高齢者住宅である。
施設ではなく、住宅である。
サナエのように一日中監視してないとダメな高齢者は
ウチでは無理なのである。
ところが頼みの綱の家族は、すでにサナエを捨てている。
電話しても繋がらない。
かわいそうなサナエ。
しかしアナタはもう、ウチでは限界だ。
ウツで短期記憶の欠落も見られるが
時間の認識はあるし身の回りのことは自分でできているし
だから、服薬以外に介助は必要じゃなかった。
おかしくなってきたのは今年に入ってからだったか。
一日に何度も何度も風呂に入り
そのたびに着ているものをすべて洗濯する。
服薬介助のため訪問すると
いつも洗濯機が回っていて
着ているものがなくなった彼女はいつも
バスタオルで身を包むしかない状態。
お陰で水道代が異常なまでに膨れ上がり
給湯器はしょっちゅう“湯切れ”になっている。
ここまでは、確か以前にも書いた。
もう面倒見切れない!と
その時点で誰もが思っていたのだが
彼女が本当に狂ってしまうのは、実はここから先のことだった。
今年の夏。
「ねえ、台所の流しが詰まっちゃったんだんだけど」
そう言ってサナエが事務所にやってきた。
おかしい。料理しないのになぜ流しが詰まる!?
管理者が様子を見に行くと
なんと、流しに詰まっていたのは便だった。
いったいどうやったのか見当もつかないが
詰まりの原因が便であることに間違いない。
そのころから、サナエの狂った行動が日常となる。
部屋から漂ってくる強烈な便臭。
中に入ってみると
あるときは、浴室で排便している。
またあるときは、トイレで、ではあるが
しゃがみこんで便器の中の便を指でこねまわしている。
部屋には
トイレットペーパー代わりに使ったと思われる洋服が散乱し
ゴミ箱には便まみれになった布パンツが捨てられ
床には便を拭きまくった跡が残っていて…
もはや、彼女の着るものはない。
パンツの1枚もない。
とりあえず履かせてみたリハビリパンツだって洗濯してしまうのだから
もう、降参だ。
あらためて言うが、ウチは介護サービス付き高齢者住宅である。
施設ではなく、住宅である。
サナエのように一日中監視してないとダメな高齢者は
ウチでは無理なのである。
ところが頼みの綱の家族は、すでにサナエを捨てている。
電話しても繋がらない。
かわいそうなサナエ。
しかしアナタはもう、ウチでは限界だ。