大腿部頚部骨折で入院していたK子さんが
手術を終えて、先週退院してきた。
慎ましやかで愛くるしいK子さんが大好きで
彼女が食堂で一人でご飯を食べているのを見かけると
私はよくオシャベリしに行く。
「K子さん、調子はどうですか?」
「今日もいいお天気ですよ」
今朝は、私と同世代の娘さんがいらしていた。
優しいK子さんは娘さんに向かって言う。
「この方にはいつもお世話になってるの。
アナタからもよ~くお礼を言ってちょうだい」
いつもの会話だ。
立ったまま話をしている私を気遣い
彼女は隣の席を指差して言った。
「さあ、立ってないでここに座りなさい」
―ありがとう。でも、私まだ仕事中なの。
するとK子さん
「あら、あなた忙しいのねえ」
と言ったあとで、私にこんな質問。
「あなた、いったい何のお仕事してらっしゃるの?」
傍らにいた娘さんが、私の肩をたたいて笑う。
「お母さん、この人は介護のお仕事をしてるのよ」
娘さんがそう言うと
K子さんは垂れ目の細い眼をもっと垂れ目にしてひと言。
「あらあら、それは大変なお仕事ねえ」
願わくば
わたしもあんな風にボケたいものである。
手術を終えて、先週退院してきた。
慎ましやかで愛くるしいK子さんが大好きで
彼女が食堂で一人でご飯を食べているのを見かけると
私はよくオシャベリしに行く。
「K子さん、調子はどうですか?」
「今日もいいお天気ですよ」
今朝は、私と同世代の娘さんがいらしていた。
優しいK子さんは娘さんに向かって言う。
「この方にはいつもお世話になってるの。
アナタからもよ~くお礼を言ってちょうだい」
いつもの会話だ。
立ったまま話をしている私を気遣い
彼女は隣の席を指差して言った。
「さあ、立ってないでここに座りなさい」
―ありがとう。でも、私まだ仕事中なの。
するとK子さん
「あら、あなた忙しいのねえ」
と言ったあとで、私にこんな質問。
「あなた、いったい何のお仕事してらっしゃるの?」
傍らにいた娘さんが、私の肩をたたいて笑う。
「お母さん、この人は介護のお仕事をしてるのよ」
娘さんがそう言うと
K子さんは垂れ目の細い眼をもっと垂れ目にしてひと言。
「あらあら、それは大変なお仕事ねえ」
願わくば
わたしもあんな風にボケたいものである。
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