今まさに、仲良しの同僚ナナミが夜勤をしている。
彼女からのLINEがうるさい。
こっちは遅番で10時頃家に帰り
少しゴロゴロしようかと思っていたのだが…。
「ねえ、怖いの」
何がだよ⁉︎
聞けば
きちんと閉まっていないと鳴る非常口の警報音が
鳴り響いた。
しかしそこはパスワードを使わないと開閉できず
深夜に、そのパスワードを知っている職員は
ナナミしかいない。
そのナナミは事務所にいて
非常口を使ってはいないのだ。
「だ、誰かいる‼︎」
「誰かが侵入して、非常口の向こうの階段に潜んでる‼︎」
怯えるナナミ。
LINEで、そいの恐怖を私に訴え続けるナナミ。
大丈夫、誤作動だよ。
そう言っても(そうLINEしても)
怖がりのナナミは怯え続ける。
しかし、そのまま事務所にいるわけにはいかない。
1階から3階までオムツ交換の仕事が待っているのだ。
いよいよナナミは、腹を決めた。
「行ってくる。
千枚通しをポケットに入れた。
私に近づいてくるヤツがいたら、これで刺してやる‼︎」
短気で四六時中怒りを発散している反面
異常なほど怖がりのナナミ。
そんなことはまずないと確信しているが
万が一暴漢が侵入してナナミと出くわしたとしたら
その暴漢の方が心配だ。
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