ちかさんの元気日記

辛いことを乗り越えて元気に生きている私“ちかさん”の
涙と怒りと笑いの介護記録。

おいくつですか?

2014-03-27 00:46:06 | 日記
滅多に笑顔を見せず
食堂でも誰とも交わることがない孤高の人・T子さん。
彼女が昨日、90歳の誕生日を迎えた。

誕生日おめでとうございます。おいくつになられたんですか?

昨日もいつもと同じように
一人で黙々とご飯を召し上がっているT子さんに
お祝いの言葉をかけた。

小さく首をかしげ、Tさんは言った。
「50・・・50いくつだったかしら?」

まさか(笑)

そして今日はそのTさんの入浴介助。
背中を流しながら、私は再び訊ねる。
おいくつになられたんでしたっけ?

すると今日も首をかしげて数秒間考える仕草を見せたあとで
「50・・・えっと、50・・・。あら?50いくつだったか忘れちゃった」

ジョークではなく
本気で50代であると思い込んでいるらしい。

そういえば
私も年齢を聞かれて咄嗟に「28歳」という年齢が頭に浮かんだ頃がある。
声を出して答えたわけではないが
なぜかふっと、頭に浮かぶのがその年齢だったのだ。

28歳といえば出産した歳であり
同時に自信を持って仕事に打ち込んでいた時期でもあった。
だから私は無意識のうちに
28歳という年齢を印象深く記憶していたのかもしれない。

80、90まで生きて、頭がおぼろげになったとき
私も歳を問われて言うのだろうか。
20・・・えっと、28歳だったかしら、と。

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