ちかさんの元気日記

辛いことを乗り越えて元気に生きている私“ちかさん”の
涙と怒りと笑いの介護記録。

・・・で、ござる。

2016-01-26 00:53:00 | 日記
ソノ子さんは足腰に難がある、という程度の状態で
2年前に入居された。

しかし足腰の痛みを理由に食堂に来るのも嫌がり
部屋から一歩も出なくなり
食事は配膳しなければ食べようとしなくなり…
そんな生活が続くうちに
一日のほとんどをベッドで過ごすようになってしまった。

でも、なんとかお風呂には入ってもらいたい。
お風呂に入りましょう。では、間違いなく拒絶する。
だったらどうすればいい?

色々な作戦を試みた末に、ヘンテコな入浴介助方法が完成した。

ソノ子姫~、おやつはいかがでござるか?
「おや、おやつでござるか?」
(こうしてベッドから起こす)

ソノ子姫~、痛み止めのお薬を塗るから
その前に足を洗うでござるよ。
「おや、足を洗うでござるか?」
(こうして浴室へ)

ソノ子姫~、濡れてしまうからズボンとパンツを脱ぐでござるよ。
「おや、これを脱ぐでござるか?」
(こうしてリハパンを脱がせることも成功)

ソノ子姫~、ついでに上も脱いでしまわれてはいかがでありましょうか?
「はいはい、これも全部脱ぐでござるな?」
(これでソノ子さんは全裸)

ここまでくれば、あとは簡単。
歌が大好きなソノ子さんのために唱歌や民謡を歌いだすと
彼女はノリノリで歌いはじめ
頭からシャワーを掛けられても喜んで歌い続ける。
二人で楽しく歌いながら、洗身・洗髪、完了~~~!というわけだ。

とんだ猿芝居。
しかしソノ子さんの清潔を保持し
かつ、本人もこっちも楽しめるのであるから
理想的な援助方法といえる。
(これをやっている最中にご家族が入ってきて
とっても恥ずかしい思いをしたというヘルパーもいるが)

十人十色の介護手順。
私たちはそれに応じて
性格俳優、トレンディ俳優、コメディアン、チンドン屋と
さまざまな表現力を持たなければならない
のでござるよ(笑)。

これって、介護技術習得より難しいかも、ね。