ちかさんの元気日記

辛いことを乗り越えて元気に生きている私“ちかさん”の
涙と怒りと笑いの介護記録。

執念

2014-03-04 00:56:04 | 日記
先日、姉が生みの母に電話し
元夫(私たちの父)が昨年亡くなったことを伝えた。

するとその反応は
「へえ~、そう。死んだんだ、へぇ~」
半笑いしてそう応える母に、姉はイラっとする。
仮にもアナタの元夫、私たちの父親の死に対して
そんな態度はないでしょー!!
すると普段は大人しいひきこもり代表高齢者の母が
思いっきり反撃に出る。
「アナタたちには言ってないけれど
私はあの人に散々な目に合わされたのよ!」

“アナタたちには言っていない散々な”エピソードを
実は姉も私も、耳にタコができるほど聞いている。
恐らく、聞いていない話はないだろう。

アナタが妻として過去に苦労したとしても
人として、お悔やみの一つも言えないのか。
せせら笑うとは、人間としてどんなもんか。
だいたいアナタは
そんなお夫と小学生だった娘たちを捨て
若い男と駆け落ちすることで
十分すぎるくらい復讐したじゃあないの!!!

思わず詰め寄る姉。
それでもなお亡き元夫をなじり続ける母に
姉は、ついに爆発した。
初めて、母に繋がる電話をガチャン!と切ったという。

今日はその姉と一緒に、実家の義母を訪ねた。
目的は、義母の介護度の認定審査に立ち会うことだった。

認定調査の後、義母、姉、私の3人で今後の相談。
家の処分、義母の身の処し方
話し合うことは山ほどある。

しかし大切な話を遮るように
義母が亡き夫の悪口を言い始めた。
「アナタたちのお父さんという人は
妻よりも母親を大切にする人で
私はこんな目に合った、あんな目に合った・・・」

死んでもなお、一度目の妻、二度目の妻から
ボロクソになじられ
亡き父も、成仏できずにいるに違いない。

3人の娘たちからしてみたら
陽気で前向きで娘たちのことを理解してくれる最愛の父だったが
姑を抱えた妻の立場からしてみれば
最悪の夫であったらしい。

人間の評価は立場によって異なる。
それは、わかる。
にしても、姑を抱えて苦労した妻の尾を引く憎しみときたら
これはハンパではない。

死人に鞭打つことはしちゃいけないよねえ。
娘としては、悲しいよ。
同時に、女はいくつになっても憎しみを忘れないものなんだなあと
その執念に、ぞっとする。