入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

        ’24年「夏」(33)

2024年07月08日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 下から来た人はこぞってここの涼しさを褒め、同時に下界の暑さを顔をゆがめて語る。今朝5時半の気温は16度、曇り。
 すでに囲いの中の牛たちは活動を始めている。二度三度と咆哮する声がしたので、昨日のようにまた水タンクのバルブに悪さをして空にしたかと行ってみたら、大丈夫だった。

 すがすがしい牧の朝もいいが、暮れかけた牧の風景はさらに味わい深い。見る者の気持ちをより深いところへと連れていくようで、特に夕空についてはその思いを強く感ずる。
 昨日も、そんな夕焼けを見ながら帰ってくると、遠く谷の向こう、第1牧区の入り口付近で小さな黒い点が動いた。もしかしたら南信州から来ている牛たちかと思い、それを確認するため登っていった。いろいろと心配ばかりかける牛たちだが、あんな高い場所にまで行くようになれば活動範囲が広まった証拠で、少しは安心できる。
 やはりそうだった。要注意の27番も41番もいた。41番は先日里へ帰した42番と同じように、身体に触れても拒まない。そうされている様子を他の牛たちにもしっかり見せれば、警戒心を和らげる効果があるだろうと期待して触れる。

 多くの消費者はそんなことは知らないだろうが、牛が生まれてから出荷されるまでの期間は約20と数ケ月である。これに対して豚は約6ケ月くらいだ。この差が牛肉と豚肉の価格差に大きく影響している。
 どちらもあまりに短い一生ではあるが、この長短が育成に要する最大の経費、飼料代に影響し、もちろん、生産される頻度・頭数も違って、価格にも現れるというわけだ。
 
 ここの牧場に来ている和牛は「繁殖牛」と言って、子牛を生むために飼育されている牛たちで、それができる間は生きていられる、生かされる。当然ながら経費である飼料をたらふく食べるから、生まれた子牛は繁殖牛の食べた飼料代も乗せられ、1頭が数十万の値段となる。
 すでに生まれた段階で牛は高値段が付けられているというわけだ。これに、円安の影響を受けた高い飼料が与えられるから、店頭に出た時にはご存知のような値段と相なる。
 こういうことをもっと消費者に知らせるべきだと思うが、そうでは・・・。

 待て、外で物音がする。驚いた、キャンプ場に人ではなく牛が来ている。角があるから伊那から来た和牛だろう。8頭もいる。この顛末は後日。

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 本日はこの辺で。

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