入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

     ’24年「夏」(30)

2024年07月03日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 午前5時半、小屋を出て牛の様子を見に行く。曇天ながら西の空には青空も見え、遠く北アの山並みも部分的に見えている。
 きょうも囲いの中の乳牛は旺盛な食欲を見せてくれたが、それに比べ第2牧区の南信州から来ている肉牛たちは、いつもの場所で、相変わらずどうしたらよいか分からないような態度を見せ、変わらない。日によって近付いてくることもあれば、逆に逃げようとする時もある。難しい牛たちだ。
 
 ただ、もしあの牛たちが本当に草を食んでいないなら、入牧から2週間近くが経つ、とっくにそれが身体に現れているはずだが、そうとも見えない。気を抜かず、見守るしかないが、できることはそう多くない。
 栄養剤を入れた配合飼料にしても、彼女らにはオヤツほどの量にもならないだろうが、かと言って、ここでは畜舎で餌を与えるようなわけにはいかない。草を食べてもらうしかないのだ。
 約1時間ほどかけて第2牧区全域を歩き、全頭の確認を済ませた。それにしてもあの牛たち、まるで要介護並の老人だと言ったら言い過ぎだろうか。

 話は変わるが、今、林業に携わる人が減っていると聞く。特に山に入り森林伐採をする作業者の中で止めていく人が多いらしい。多分、多くの人は知らないが、過酷、危険な労働、それに比べて賃金が安過ぎるのだ。
 名前は言わないがテレビに出て、内容のない発言しかできないあの人と比べ、あまりの報酬の違い、問題である。格差かくさとよく耳にするが、職業間での賃金の格差が大き過ぎる。
 
 国土の7割を占めると言われる山、緑溢れる美しい中級山岳、この国が誇れるものとして大切に守っていくべきだと思うが、その実態は大変に心細く、お寒いようだ。
 木材の料金も、樵と呼ばれる人たちの給料と同じく安過ぎて、採算に合わない仕事ばかりが増えているらしい。それでも経営者が無理して仕事を取ってきたら、今度は現場の条件の悪さを作業者が嫌って、去っていくこともあると聞く。
 国有林は全体の3割ほどで、残りは「公有林」と呼ばれる都道府県や市町村が所有する山、そして企業、神社仏閣、さらに個人の持つ山となるが、実態となれば似たり寄ったりであろう。
 
 ある首相候補と目される人が、首相になったらまずライドシェア(リング)をやりたいと言ってるそうだ。呆れた。もっともっと重大で喫緊な課題があるだろうに。たった3,4万円ほどの売り上げしか持たないタクシー運転手を刃物で襲い、殺してしまうような情けない話と似ていないか。
 防衛も、医療制度改革も大事だが、まず防災、それもいつ来るか分からない直下型地震に備えて、首都移転の端緒ぐらい付けてみろ、と言いたい。

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 本日はこの辺で。

 
コメント
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