Photo by Ume氏
昨日里に帰り、用事を済ませると家には泊まらず、暗くなった山道をまたここへ帰ってきた。このごろは牧場のこの小屋の方が帰るべき場所になってしまい、里の家は他人のネグラのようになってしまった。
途中、杖突街道から松倉の集落に入った辺りで闇が迫る夕空を眺めながら、梅雨もこの3連休の間に明けるかも知れないと大分薄くなった雨雲に期待した。しかし今朝目が覚めると雨の音、無情。
それでも、信頼している「雨量・雲量」の情報からは、やがて雨は上がると読める。キャンプの予約を貰っている人たちが来るころには、少しづつ天気は回復するだろう。最低雲高も上がり、権兵衛山の電波塔は見えている。
こんなふうに山の中で暮らしていると、世の中の動きについて入ってくる情報が大分偏ってしまうようだ。それで、実際の暮らしに何か差し障りがあるわけではないから安気と言えば安気だが、ますます関心のあることにしか目を向けなくなる。covid-19も、マイナンバーカードも、遠いとおい話だ。
ここでは、里で冬ごもりをしていた時ほど本を読まない。5時ごろ外から戻り、それから夕飯の支度をし、ビールと日本酒の熱燗を呑めば心身ともにクタッてきて目も霞んでくる。とても活字を読む気にはならない。
風呂も小屋にあるが遠慮して、たまにシャワーを使うくらいで、富士見や里に下った時に入るくらいだが、これは面白くない。
BS放送で、ウクライナ情勢について斯界のお歴々の高邁な分析や判断、予測、解説を聞いているうちに、大体は最後まで保たず眠ってしまっている。
そういえば、「心のラジオ体操」も上に来てからはすっかりご無沙汰だ。これについては恐らくそうなるだろうと予測していた。
ここにいれば、無為なる時間は結構あるし、その反面、精神を集中することも同じようにあって、その弛緩や緊張が代用してくれているような気がする。
確かに、普通に考えれば、こういう恵まれた自然の中の方が「体操」には向いているように思うが、多分まだ、あの陋屋の薄暗い部屋で線香の香を意識しながら身に付けた一冬の習慣から脱皮できていないのだろう。止めるつもりはない。そうでないと、野生化が進むばかりだから。
屋根を打つ雨の音がまた強まってきた。霧は出てない。うーん、よく分からない天気だ。
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本日はこの辺で。