入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

     ’23年「夏」(26)

2023年07月04日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 雨の日が続いた幾日かの間に、遠くの山々の残雪も大分消えてしまった。今は梅雨の季節、貴重な晴天がそのことを気付かせてくれた。
 ここの谷間もすっかり単調な緑一色に埋もれ、春先から眺めてきた自然の繊細多様な色彩の変化を視るのは、夏が過ぎるのを待つ。

 たまには恥ずかしながら妄言を。
 富士山の弾丸登山は控える、河川での水遊びでのライフジャケットの着用せよ、はたまた登山時のヘルメットを被れ等々、痛ましい事故を防ぐためにこうした対策は何程かの役には立つかも知れない。
 しかし、仄聞するあの劣悪な山小屋の状況では安眠など望むべくもないだろうし、ライフジャケットを身に付けての川遊びで果たして泳げるようになるのか、落石、転倒を怖れて汗をかきかきあの暑苦しい物を頭に被る必要がどれほどあるのか。
 
 そんな安全ばかりを言って、高速道路の走行車線のみを時速80㌔以下で走り続けるような行動ばかり求めては、自然の醍醐味、豪快さを本当に知ることができるのか、と思う。
 生命は元より尊い。だから、であるからこそ、危険を察知し、対峙する勇気も時には求められる。山ひとつを例にしても、岩登り、雪中登山、氷瀑登攀、酸素の希薄な高山の登山、これらには転落、雪崩、凍傷、酸欠、高山病、避けえないかも知れない危険がたくさん潜んどいる。しかし、だから止める、というわけには行かない。

 テレビに出演して物申す人たちは、とにかく正しそうなことを言わんとする。人格者ぶって、品よく、過激を避けて。論理性、一貫性があるかどうかは知らないが、とにかく言葉を選んで平和、平等、安全、などについて語る。
 けれど、安全運転について講義してくれる警察官が、自動車レースについては語れないのと同じような気がする。もちろん、神経にヤスリをかけるような登攀など知らないし、体験しようともしない。
 そういう人たちが世論の一部以上を形成していくのだろう。それで身過ぎ世過ぎとしているのだから、LGBTQなどについても本心などは晒しっこない。
 
 反抗ばかりを繰り返す課員を叱責したら「パワハラ上司」と呼ばれ、女子社員の身に着けていた服を褒めただけでも、相手が嫌いなら、それを「セクハラ」と言うらしい。言うことを聞かない生徒を小突けば「暴力教師」にされて、どうも性格の良くない者ばかりが過剰に保護される窮屈な世になったものだ。
 相思相愛ならいいけれど、片思いの相手からは「気持ちが悪い」と片付けられては立つ瀬がない。これは言葉の暴力ではないのか。失恋だって、人生の良薬ともなりうるという救いもあるかも知れないのに、気の弱い男女は恋愛すら諦めるのかと案じてしまう。
 
 昨日、TDS君とM君とテイ沢を歩いていてクマを見た。クマの活動領域は広いから、いまごろ「クマ出没危険」などという注意書きを出しても「安全」には役立たないだろう。

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 本日はこの辺で。
コメント
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