昨日芝平へ下った山道は予想通り荒れていた。峠にはこの道を避け、千代田湖経由を勧める看板が出ていて、そのせいもあり通行する車も少ないのだろう。が、それがかえって状況を悪くしていることに看板を設置した側は気付いていない。山道は自然のままに放置され、雨が降れば川同然のようになる。
枯れ木橋を過ぎて少し行くと、右手に大きな崩落個所があり、側溝は完全に岩や土砂で埋まってしまっていた。行く先のない雨水がここでも道路を穿ち、削り、通行を困難にさせていた。普通乗用車ではもう通ることができないだろうと思いながら、手を加える者がいなくなった道路のあまりの荒廃に複雑な思いを味わった、落胆した。
芝平の集落に入ると、あの花は確かオオハンガンソウだと教えてくれた人がいたが、その毒々しい黄色の花が無人の里を埋めるかのように咲いていた。何年か前までは、山室川の川べりに目立つだけの花だったのに、放棄された畑、廃屋の周囲もこの花がまるで人のいないことを喜んで、狂ったように咲いていて驚いた。
目当てにしていたコスモスの花の方は、新たな征服者に土地を譲らざるを得なかったのか姿を消してしまい、生まれた土地を捨てて新たな場所に移り住んだ芝平の人々の後を追っていったのかも知れない。
高遠で用を済ませ、帰路は千代田湖経由にし、早々に戻ってきたが昼近くになっていた。焼き合わせでツタウルシの紅葉を撮り、昼飯を食べたかどうか忘れたが、牧場を見回って今度は反対側の諏訪に下った。
諏訪の温泉は諦め、とりあえず山靴を買って富士見に引き返し、いつものスーパーで少し食料を買い、それから麓の風呂に行った。
靴は今使っているのと同じ物が手に入り、それも割引値段の商品で、また風呂は今まで入浴料は950円だとばかり思っていたら、70歳以上は700円だか750円だと初めて知り、損をしていたと思うよりか、得をしたような気になったのだからおめでたい。
最近はトマトスープにはまっている。夜は自己流のそれにした。トマト、鶏肉、ナス、アスパラ、ジャガイモ、セロリーなどを入れトコトコ煮て、白ワインを加え塩コショウで味を調え、最後にレモン汁を入れる。野菜の種類はその時々、豆もいい。
日本酒にビール、それに塩の効いたサケとタラコを添え、政治番組を見るともなく眺めていたら、いつの間にか眠っていた。夏の疲れが出た。
きょうからまたキャンパーが来る。
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本日はこの辺で。