入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

     ’19年「冬」 (8)

2019年01月07日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など



 集落の東側、天竜川が造った河岸段丘の一段高い場所に行けばこの風景がある。正面に見えている山は、ご存知仙丈岳である。かつて畑だったこの辺りは、今は一面が水田に変わり、天竜川からポンプを使って水を揚げているという。その電気代や保守の費用が、大変な金額になると聞いたが、細かい数字までは覚えていない。
 この近くに「ニジュウデラ」と呼ばれる坂があって、子供のころは冬が来るとこの坂でよく橇遊びをした。50年どころか、60年以上も昔の思い出でだが、当時は今よりも寒かったから、一度雪が降れば日の当たらない坂は、かなりの期間橇遊びができた。この他にも「コウコウザカ」とか「アオナギ」と呼ばれた坂でも橇やスキーをやったが、最近訪ねてみたら、記憶の中の坂と比べてあまりに貧弱だったので呆れるだか、がっかりした。

 初めて入笠へ行ったのは高校1年の夏だった。このころは、上伊那の高校は1年が入笠、2年が八ヶ岳か仙丈岳だった。青柳から歩いて登ったこと、マナスル山荘に宿泊したこと、ヒルデエラ(大阿原)を歩いたことは極めて断片的にだが覚えている。ところが、多分、テイ沢を登ったと思うが、まったくその記憶がない。そればかりか、入笠山頂の記憶も全くない。それよりも以前、中学2年に登った西駒ケ岳の記憶の方が鮮明だが、この時も頂上に行けたかどうか、多分行けなかったと思うがはっきりしない。
 昨日のUme氏の写真には守屋山が写っている。この山に初めて登ったのは小学生の低学年の時で、父親やその同僚と一緒だった。もう一人女の子がいたこと、アリ塚を踏んでしまったこと、岩の多い山頂には木の柵で囲まれた祠があったことを覚えている。15年前に、田舎暮らしをするようになってTDS君たちとこの山に登り、その時までずっと、守屋山初登山の登山口は諏訪側だとばかりだ思っていたのだが、杖突峠を少し下った守屋神社の前に立った時、何十年も前の記憶が突然に甦ってきて驚いた。嬉しかった。

 これまでに、幾つもの山に登った。鮮明な記憶の残る山頂もあれば、そうでない山もある。何度か登った同じ山頂でも、ある時の山頂なら記憶がはっきりしているのに、他の時のことは曖昧になってしまっていることもある。その典型が中央アルプスの駒ヶ岳だが、30回以上は行っているのに、山頂の記憶は2,3回くらいしかない。その違い、差が分からない。他の人はどうだろうか。

 日が傾きかけた長い影を引く落葉樹の森や牧場も、やがては雪の中に眠るでしょう。お出掛けください。
冬の営業案内」をご覧ください(下線部を左クリックしてください)。予約は早めに頂ければさいわいです。



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     ’19年「冬」 (7)

2019年01月07日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など

            Photo by Ume氏

 入笠へ来る人たちが、まず目指すのは山頂だと思う。それは冬季でも変わらない。ゴンドラを利用すれば気軽で、しかも安全にその目的を果たすことができ、冬山の"触り"を体験することができる。晴れていれば、頂上からの眺めも悪くない。今流行りのスノーシューズを履いて歩けば、それだけでも楽しい。
 ところが、こう呟いている本人は、その冬の入笠の山頂へ行ったことは12年間の間に一度しかない。それも大分昔のことで、知人を案内してのことだったが、空身にツボ足だったので行き交う人の中からはそれを避難がましい目で見られたりして、少し閉口した記憶がある。冬山の体験や訓練のために、スノーシューズやアイゼン、ピッケルなどを使用することはいいと思う。別に異議を唱えるつもりなどない。ないが、たまにはそれらを使わずに登ることも、試してみたらどうだろうか。
 
 まだ残念なことに、今冬の予約は1件も入っていない。こうして連日呟いているといささか徒労感を感ずることもないわけではない、ある。しかし、折れないで続ける。そう思っていたらきょう、ようやく問い合わせが入った。2泊4日の4人くらいだがどうかと。それで、分かりましたと応じた。ついでに、入笠登頂はケジメだろうから、初日の来る時にさっさと済ましておいた方がいい、とも言っておいた。
 第1日目にそこを素通りして、翌日小屋から3,40分もかけて同じ道を登山口まで行き、そこから片道30分そこそこの山に登るのはいかにももったいない。それくらいなら、もっと別な計画を立てた方がいい。折角、牧場の小屋まで来てくれるなら当然、それ相応の対応をして上げたいと考える。鹿肉だけでなく、ここには、ここだけの良さがある。楽しさがある。目の覚めるような絶景がある。雪があっても無くてもだ。カメラを忘れずに、連泊をお勧め。


    HALに負けた朝

 日が傾きかけた長い影を引く落葉樹の森や牧場も、やがては雪の中に眠るでしょう。お出掛けください。
冬の営業案内」をご覧ください(下線部を左クリックしてください)。予約は早めに頂ければさいわいです。



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