入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

     ’19年「冬」 (6)

2019年01月06日 | 入笠牧場からの星空

Photo by かんと氏
 
 永遠だと言われれば終わりがないと思うし、無窮だと聞けば限りがない考えるだろう。宇宙を語る際によく出てくる言葉だ。しかしどうやら、その宇宙はいまだに膨張の途中だというから、ならば距離的には限りがあることになる。だが、では「その外は?」となると分からない。宇宙は複数存在すると主張する人もいるが、その先の説明になると、雲の中に消えていく螺旋階段を見上げるようなものだ。時間にも終わりがあるという人もいるが、あったとしても気の遠くなるような先らしい。なにしろその人によれば、138億年の宇宙の歴史も、まだ始まったばかりだというのだから。
 それと比べたら、われわれに与えられた時間はあまりにも短い。一瞬にも等しい。で、そのあまりにも短い時間が終われば、われわれは一体どこへ行けばいいのだろうか。生憎だが、もう行くいくところがない。それも、再登場の機会は永遠に、あるいは永遠の終わるまで、訪れないのだという。訪れる、という人もいるが、現在の科学では否定的だ。ひとたび眠りに落ちたら、二度と目を覚ますことなく、億年でもなく兆年でもなく、もっともっとはるかに長い永遠という、終わりのない時間の続く間、消滅したままでいなければならないらしい。
 身内の死を身近にしてだと思うが、死ということを意識するようになったまだ子供のころ、この「生の一回生」ということと、死は永遠にずうと続くのだと知ったショックは大きかった。1年は今よりももっと長かったし、大人の語る太平洋戦争の体験談など江戸の昔話を聞くように聞いたころのことだ。だから当時は、人生はもっと長いと思っていたが、それでも、とんでもない世界に生まれてしまったと、その後もあまり成長しなかった頭で考え、うろたえた。

 きょうのかんとさんの写真、年末の13,14日に当牧場で撮影したふたご座流星群。こういう貴重な映像に相応しいことを呟くのは、まったくもって無理だが、それでも、冬の夜空を眺めていれば心が穏やかになる。いやなことを忘れられる。夜の牧場で羊飼いの少年が、あるいは船上から酔った船乗りが、眺めたと同じ星たちの姿だろう。感動!

 日が傾きかけた長い影を引く落葉樹の森や牧場も、やがては雪の中に眠るでしょう。お出掛けください。
冬の営業案内」をご覧ください(下線部を左クリックしてください)。予約は早めに頂ければさいわいです。





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