
一日の終わりを納得させるように、深く心に染み入るような夕暮れがまたやってきた。いつの間にか風の音は絶えて、さっきまでしていた鳥の声も聞こえてこなくなった。
きょう一日、何をしたかと振り返っても、年末の残り少ない貴重な日々をただ無為に過ごしただけだ。正月が近づくから、少しは人並みのこともと思うが、何もそれらしいことはしないでいる。大掃除もしなかったし、好物のニシン寿司も漬けなかった。時鮭ぐらいは買おうとしたが、それも止めた。正月料理などというものは、賑やかな家族がいてするもので、いい歳をしたやもめがそんなことをしたら却って痛々しい。餅だって、食べるものか、ワハハ。
それでも、あの人たちのように悪政に苦しみ、同胞と殺し合い、危険な逃亡を試み、或いは誤爆という理由で生命を落とす、そういう不幸を体験することもなく、こうして夕暮れのひと時、過ぎていく時間にわずかな未練を覚えているだけというのは、幸福者だろう。
30日には上に行くつもりだが、まだ風邪が居座ったまま。
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