入笠牧場その日その時

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       入笠牧場の星夜、その魅力と実力 (2)

2014年12月06日 | 入笠牧場からの星空

M42 オリオン星雲                                     Photo by かんと氏

「この星雲は明るくて簡単に撮影できますが、こだわって撮ろうとすると、とてもむ難しい星雲です。明るい胸の部分と淡い羽の部分を一緒に表現するには、露出時間の短いのから長いのを各種撮影し、合成して仕上げていきます(今回は40枚)。明るい胸の中には、新しくできた星「トラペジウム」があり、この星がオリオン大星雲全体を照らし」ているのだと、かんと氏がオリオン星雲のPHに寄せてくれたコメント。
 暖かい小屋で、何の苦も忘れて眠りこけていた間に、二人の”星の狩人”たちは、獲物を求めて幾つもの銀河の旅を続けていたのだ。

 12月3日、「はやぶさ2」が打ち上げられ、6年52億キロの旅が始まった。探査の目的の中で、多くの人々の関心をそそるテーマは、生命の起源が地球外から来たものかどうかということだろう。「太陽系の起源・進化と生命の原材料物質を解明するためC型小惑星「1999JU3」を目指す」と、JAXA。6年後に持ち帰えるサンプルの中に、果たして生命の形成に必須な有機化合物や水が含まれているだろうか。
 もう一つ、12月5日には、アメリカはお馴染みのケープ・カナベラルから「オリオン」が打ち上げられた。地球を2周しただけの4時間程度の飛行だったが、地球再突入の際のカプセルの耐熱試験が目的だったようだ。将来の有人惑星探査に不可欠な目的地への探査機の安全な着陸、離脱、そして帰還へと、数多い課題に対する「小さな一歩」だという。アポロの時代と違いアメリカも財政的な問題を抱え、思うように計画を進められない関係者の苛立ちも伝わってきた。
 オリオンに搭載されたカメラが、発射からわずか2分そこそこの間に、画面全体を占めていた地球の刻々と縮小していく姿や、その丸い一部と表面を覆う薄い大気の層を映し出した。地球の重力を振り切る脱出速度、秒速11キロのスピード感を味わった。予定通り太平洋上に着水したオリオンの、到着予定時間との誤差は秒単位だったという。こういう複雑な計算が、当然当たり前に行われていることに沈黙、言葉なし。

 山小屋「農協ハウス」の冬季営業に関しましては、11月17日と12月5日のブログをご覧ください。
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