昨日(8月23日)の日曜美術館は、≪カラフル!多様性をめぐる冒険≫と題して、“アール・ブリュット”または“アウトサイ
ダーアート”と呼ばれる作品の展覧会の紹介をしていた。
そして番組では、“アール・ブリュット”に関心を寄せておられる3名の方が、展覧会を訪れられたときの映像も、同時に紹介
していた。
まず初めの来訪者は、タレントの<りゅうちぇる>さん。
彼がまず初めに惹かれて近づかれたのは、<折り紙>ならぬ<折り葉>で折られた、数多くの動物たちだった。
渡邊義紘さんの<折り葉>の作品
象
犬
キリン
渡邊さんは、枯れ葉が落ちるころになると、近くの公園を訪れ、<折り葉>を折るのに具合のいい落ち葉を、拾い集め
られる。
ちなみに、<折り葉>に具合がいいのは、柔らかめの落ち葉だそうだ。
そして、持ち帰られた落ち葉は、渡邊さんの手によって、いろんな動物へと変身する。
「干支」を全部集めた作品…買い求める人もあるそう
次の表現者は、藤岡祐機さん。
彼は、そこらにある紙をハサミで、等間隔に細く細く切られ、それが巧まぬ作品になっていく。
藤岡さんの机…彼は毎日、就寝前に必ず紙を切られるそうだ。
次は、澤井玲衣子さんの抽象画?(写真がうまく撮れなくて作品数が少ないが、色彩がとっても綺麗!)
「りゅうちぇる」さんと同じように、この展覧会に強い関心を持って訪れられたのは、俳優の<奥貫 薫>さん。
そしてとりわけ彼女が心を惹かれたのが、井村ももかさんの、ボタンで飾られた色鮮やかな丸い作品。
最後に紹介する、この展覧会の来訪者は、医師の<稲葉 俊郎>さん。
彼は、在宅医療にも積極的に取り組まれているそうだが、医師としても、芸術、とりわけ“アール・ブリュット”に、強い関心を
寄せられている。
そして彼が興味を持たれたのが、澤田 真一さんのイボイボのある焼物の作品だった。
澤田さんはある時期から陶芸工房に通われ、自分独自の作品を創られるようになる。
一心に土を捏ね、イボイボを作り、それを作品に貼りつけていく。
“アール・ブリュット”もしくは“アウトサイダーアート”は、自宅や作業所などで、自身の中に抑えがたく湧き上がる気持ち
を、誰のためでもなく、誰にも真似できない独自の方法で、表現した作品だ。
私は以前初めてその作品に接したとき、衝撃にも似た驚きと称賛の気持ちを感じた。
もちろん、中には、あまり好みでないモノや、理解できないモノもある。
今回も、私自身が共感できるモノを中心に、シェアさせていただいた。
同じ日の朝6時から放送された「目撃!にっぽん」の≪コロナと新宿ゴールデン街≫も、心にズシンとくる番組だった。
コロナ感染が収まらないなか、私たちにはそのイライラを、誰か(又はどこかの地域)を悪者にして、何とか収めようとする
傾向がある。
この番組に出てこられた新宿ゴールデン街の方々の、真の優しさに接したとき、私は、このところの自分の狭さを痛切に
感じさせられ、恥じ入る気持ちだった。
新型コロナウィルスに、すべての日本人が連帯して打ち勝つのは、なかなか容易ではないだろうけど、その気持ちだけは
忘れてはならないと、強く思わせられる番組だった。