銀ステ根なし草

銀のステッキ旅行・スタッフの雑記帳

秋の小噺ひとつ

2010年09月21日 | 見かけだおしNのつぶやき
■登場人物

私の父(設定昭和8年生まれ)
患者1(女性)
患者2(女性)
患者3(女性)

■場面
とある病院の待合室、兼食堂
 

■はじまり
私:手持無沙汰な様子
私の父:手持無沙汰な様子

~正午の知らせのベルが鳴る~

患者1:杖をつきながら登場
患者2:杖をつきながら登場
患者3:手押し車を押しながら登場

~食堂のテーブルに席を並べ~

患者1「お腹すいてるわけじゃないけど退屈で」
患者2「私も、時間がなかなか過ぎなくて」
患者3「・・・・」無言

私:三人に一瞥
私の父:振り返って、が、すぐ前をむく

~5分経過~

患者3「82歳です」
ぼそぼそ聞き取れない小声
私:聞き耳立てる
私の父:聞き耳立てる

患者1「まあ、あなたお若いわね」
患者2「ホント!まだお若いのね」
私・私の父:ふたり目を合わす、そして目を見開く

私:さらに聞き耳立てる
私の父:さらに聞き耳立てる

患者1「私は92歳よ」
患者2「あら、私とひとつ違い、91歳」
患者3「・・・」
私:目をむく
私の父:目をむく

患者1「あなた、まだまだよ、私が80の頃は・・・」
患者2「うらやましい、10年前は私もまだまだ元気だったもの」
患者3「・・・」
私「・・・」
父「・・・」

~5分経過~

私の父(設定昭和8年生まれ)「女の人は、やっぱり違うなぁ」
ぼそりと一言

はい
秋の小噺ひとつ、でした


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