野原に座る。見渡す限りの星空。
膝の上には透明の半球。直径20センチ強、平らな面が下。平らになった底の中央に「思考」という5センチほどの黒文字。文字はどの角度から見ても透けてみえる。
横に置いてある取り扱い説明書を読む。
「思考という文字を裏側から押してください。」
押してみる。キュイーンという音。
「半球の曲面の好きな箇所に指を当ててください。」
当ててみる。シューという音をたて、当てた部分が小さな赤い点となる。そして底中央から光の筋がのび、赤い点を通り、半球を飛び出し、空へと向かう。
光の直線は星に達する。星が照らされると、シャラリーンという音。光の筋も赤い点も消える。
半球の別の箇所に指を当ててみる。赤い点ができ、また違った角度でのびる光の筋が直線状に違った星へと向かう。シャラリーン。
「様々な思考角度を試してみてください。」
繰り返すうち、だんだんと光が弱く。
取扱説明書の、「トラブルの場合は:」の箇所を読んでみる。
「光が弱くなったら、思考ボタンを停止させ、しばらく半球を手放してください。」
書いてある通りにし、しばらくしてまた、同じように繰り返してみる。再び強い光。
シャラリーン、シャラリーン、心地よい音。
満天の星をながめながら。
膝の上には透明の半球。直径20センチ強、平らな面が下。平らになった底の中央に「思考」という5センチほどの黒文字。文字はどの角度から見ても透けてみえる。
横に置いてある取り扱い説明書を読む。
「思考という文字を裏側から押してください。」
押してみる。キュイーンという音。
「半球の曲面の好きな箇所に指を当ててください。」
当ててみる。シューという音をたて、当てた部分が小さな赤い点となる。そして底中央から光の筋がのび、赤い点を通り、半球を飛び出し、空へと向かう。
光の直線は星に達する。星が照らされると、シャラリーンという音。光の筋も赤い点も消える。
半球の別の箇所に指を当ててみる。赤い点ができ、また違った角度でのびる光の筋が直線状に違った星へと向かう。シャラリーン。
「様々な思考角度を試してみてください。」
繰り返すうち、だんだんと光が弱く。
取扱説明書の、「トラブルの場合は:」の箇所を読んでみる。
「光が弱くなったら、思考ボタンを停止させ、しばらく半球を手放してください。」
書いてある通りにし、しばらくしてまた、同じように繰り返してみる。再び強い光。
シャラリーン、シャラリーン、心地よい音。
満天の星をながめながら。