靴下にはそっとオレンジを忍ばせて

南米出身の夫とアラスカで二男三女を育てる日々、書き留めておきたいこと。

俳句あれこれ、雪玉を放りて一つ星落つる

2013-12-14 23:59:08 | 詩・フィクション・ノンフィクション・俳句
1.次男が没頭して遊び始めた十五分、インゲンを炒める五分、駐車場での待ち時間三分と、細切れ時間をちょこちょこっと手にする育児家事な生活というのは、五七五と短くまとまった俳句を考えるのに合っているなあと思った今週でした。

といって他にも考えるべきこと山積みで、なかなか俳句だけに細切れ時間を割くとはいかないのですが、それでも嬉しいリフレッシュです。


2.今までちょこちょこと参加させていただいた俳句会。それぞれの「好き句」に投票し合うのですが、自分がこれいい!と思うものに点が入らなかったり、逆に目に留まらなかったものにたくさん点が入ったり、自分の思いを客観的に見られる機会になっています。

といって、どういった俳句をその会が目指しているかによって(より現実的写実、より心象の描写など)、点の入り方も随分異なると、日本の句会何度か参加体験者から聞き。その場を構成する人々によって、自分が一時「客観」と思ったことも、また変わるものですね。


3.俳句を作る際によく用いられる「多作多捨」という言葉。とにかく多く作って、ばさばさと捨てて、その中にきらりと光るものが生まれることがある。長年鍛えた俳人の中には、短期間に驚くほど作る人々もいるそう! とにかく作り続けてみる、百の中に一つでも「ちょっといい」というのがあればいいじゃない、そんな姿勢、いいなあと思います。


今週の「雪百句」参加句 by マチカ:

雪の底遥かなる日を見上げおり

雪の間に真隠して日が暮れる

思い出に導かれ行く雪明り

雪舞て最奥の闇照らされむ

慟哭を沈めて高し雪の山

どこまでも平らなる雪国境

雪の音に包まれし見る白昼夢

どちらが本物かと問う雪と月

老犬の雪の柱にもたれおり

満ち足りたアルパカといる雪の午後

雪ん子の手の温もりや星明り

紫の恐竜の見し雪の夢

半月に教えてもらった雪の色

超えたっていいんですよと雪の精

雪玉を放りて一つ星落つる