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にしみの鉄道情報局付属ブログ

電気主任技術者の話・その5 構内配電線の規格

2020-05-10 | 電気主任技術者
前回の続き

特高受電の工場では、特別高圧で受電した電気を特高変電所にて6600Vもしくは3300Vの高圧に落として、構内配電線にて各建物ごとにある変圧器に送って、ここで低圧の三相400/200Vもしくは単相100/200Vにして、現場の各機器、エアコン、コンセントなどの負荷に送っています。
この高圧から低圧に変換する変圧器は、ほぼ高圧受電のキュービクルと同じものが用いられます。このキュービクルの事をサブ変電所や二次変電所、二次変電設備などと呼ぶケースが多いようです。

もともと、高圧受電の工場で、規模拡大などで特高受電化した場合、高圧受電時代のキュービクルをそのまま、サブ変電所として使うケースがほとんどのようです。ただ、高圧受電時代の継電器の扱いは微妙で、撤去して特高変電所の側でカバーするケースもあれば、そのまま残して、機能させる場合もあるようです。この場合、保護協調をしないと、先に特高変電所の送り出しの継電器が動作してしまいます。

特高変電所とサブ変電所の間は、電力会社の配電線と同じOC電線(もしくはOE電線)を用いるケースもあれば、CVケーブルを用いるケースもあります。このあたりは、特高受電化の時期や会社の方針などで決まりますが、配電線が建屋の中や埋設の場合、CVもしくはCVTケーブルを用います。

OC電線の場合、裸電線に近い扱いなので、腐食以外では寿命にそれほど気を使う必要はないのですが、CVケーブルは絶縁体の寿命が有限なので、定期的に引き直す必要があります。
この高圧ケーブルの地絡による、事故というのは度々発生していて、このメンテナンスや寿命診断については神経を使うところです。
CVケーブルは停電が可能であれば、直流にてケーブル診断を行いますが、停電が難しい場合は活線診断という方法もあるようです。
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