nishimino

にしみの鉄道情報局付属ブログ

城郭考古学

2021-10-31 | 書評


城郭研究の第一人者、元奈良大学学長の千田嘉博教授の著書「城郭考古学の冒険」。城郭研究はかっては趣味の範疇でしたが、同氏はそれを学問にまでした研究者で、最近ではテレビの城郭番組にも頻繁に出演されています。

この本では、室町時代末期から戦国期から江戸期の城についての発展の過程が紹介されています。
日本の城は室町時代末期から江戸時代初期が、築城の全盛期ですが、戦国時代が終了したため、築城技術が江戸時代初期で、凍結されていると言われています。西洋の城が17世紀18世紀と戦乱が続いたため、築城技術が進化して、大砲などの砲撃に対応するため、高層建築を避けるようになったのに対して、日本の城は鉄砲の時代で、城の進化が停止して天守などの高層建築がそのまま残ったのというのは少し意外でした。
たしかに、鎖国が終わって入ってきた西洋の築城技術が五稜郭ですので、日本の城は見た目が一番美しい時期に軍事要塞から、政治的拠点に変わったのは幸運だったと同氏は述べています。
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伊予鉄モハ50形

2021-10-28 | 鉄道
伊予鉄道の市内線の在来型の主力のモハ50形はその多くがナニワ工機(現アルナ車両)で製造されたため、関西スタイルとなっています。


51号 大街道


59号 大街道

1951年製の51号は京都市電800形とほぼ同じ車体設計となっていますが、1957年製の59号はバス窓となり、前面窓も中央が若干大きくなっています。このグループは合計で11両製造されています(51-61)。余談ですが、後に京都市電から2000形が伊予鉄に移籍していますが、同じようなスタイルなので、違和感なく溶け込んでいます。


66号 松山市駅

1960年以降の製造の8両(62-69)は前面の中央窓が大型化されています。同社の鉄道線の600形と同一設計ということすが、大阪市電の2600形などの影響もあるのかもしれません。
このグループの前半は軽量リベット構造の車体で、鋼製車体に珍しいビートがあります。中国や旧ソ連、東欧の客車ではよく見られる鋼製車体のビートですが、国内では初代の東急5000形ぐらいで、あまり例がありません。



75号 道後温泉

1963年以降製造の9両(70-78)は、メーカーがナニワ工機から帝國車輛工業に変更になった関係で、車体が標準的な構造になり、ビートがなくなっています。

28両が製造された50形ですが、置き換えが進み、現在では15両程度が残っているようです。

撮影 2016年9月24日
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カンチレバートラスを求めて・旧椿原橋

2021-10-23 | ノンジャンル



国道156号線の白川郷と五箇山の間の椿原ダム付近にある旧椿原橋、現存する数少ないカンチレバートラス橋です。1953年に架橋されましたが、交通量の増大に伴い、1979年にはその役目を終えています。ここを全盛期の国鉄バスの名金線が通っていました。



このタイプのカンチレバートラス独特の特徴として、橋脚以外の箇所に橋桁の継ぎ目があることで、上の写真だと橋脚の隣の門型の枠のあるところが、橋桁の継ぎ目になります。


橋桁の継ぎ目部分で、ここは普通の橋なら橋脚の真上ですが、カンチレバートラスだと橋脚から少し外れたところになります。


撮影 2021年8月28日

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養老鉄道撮影ポイント13 美濃山崎南

2021-10-05 | 養老鉄道


美濃山崎駅の南側の撮影ポイントで、主に午前中が順光で、季節によってはこのように桜をバックに撮影することも出来ます。









撮影 2019年11月23日 2020年4月11日
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終焉を迎えるサイリスタ制御車

2021-10-01 | 鉄道
JR西日本が2024年までに201系をすべて全廃にする計画で、現在運用している奈良地区では順次網干から転属の221系に置き換えが進んでいます。


撮影 久宝寺 2019年3月16日

西日本はJR各社の中では比較的車両を長く使う方で、201系よりも古い国鉄時代の車両が多く残っていますが、それより先に置き換えが決定しました。京都地区に残る113系117系や岡山下関地区に残る115系、姫路地区に残る103系などよりも先に201系が置き換えになったのは、サイリスタチョッパの部品がすでに手に入らないためで、各社とも同様のようです。


撮影 舞浜 2010年3月10日


同じ201系を継承したJR東日本の置き換えはかなり早く、2011年には全廃されています。JR東日本は201系のチョッパ制御自体の更新を計画していたようですが、費用対効果などもあって見送られ、鋼製車体ということもあり、置き換えが進んだようです。
サイリスタチョッパ車を導入した各社とも、置き換えやVVVFインバータ制御への更新が進んでいて、これといった更新工事が行わていないのは東武9000系ぐらいになっています。ただし同系列は、メインの制御素子が逆導通サイリスタではなくGTOサイリスタなので、他社に比べれば部品確保が出来るのかもしれません。それでも東武9000系の置き換えの噂は絶えませんが。
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