3月17日の改正から奈良線では阪和線から転属してきた205系が運用されています。阪和線オリジナルの1000番台4両編成のみ、奈良線限定で103系と共通で運用されています(103系4両編成2本をつないで、大阪環状線へ乗り入れる運用は2016年10月に221系に置換え)。阪和線からは2016年12月の改正で撤退し、その後奈良地区で乗務員訓練などを行っていたようです。
なお、205系1000番台は5本、現行の奈良支所の103系4両編成の運用は7運用なので、不足分の103系置換えは日根野からの205系0番台か、網干から221系の転属ではないかと予想しています(201系は変電所の関係から奈良線に入線できないらしい)。
205系1000番台はJR西日本が若干設計変更しており、国鉄JR東日本が製造した車両とは異なります。見た目は前面窓が拡大され、車外スピーカーが取り付けられた程度ですが、下回りがかなり異なり、補助電源装置がMGからSIVになり、また京葉線用の205系と同じく110km/h運転に対応しています。
もう一点決定的な違いがあり、205系1000番台には主電動機冷却ダクトがありません。国鉄設計の直流モータの通勤電車や近郊型電車は、雪をモータに吸い込むことによる絶縁破壊対策のため、雪切室を持つ車両を除いて、戸袋窓の上部から主電動機冷却風を取り込み、台車へ蛇腹を通じて冷却風を送っています。JR化後の直流モータ車の中には、特急急行型電車のように妻面から冷却風を取り込むものもあるようです。
205系1000番台はほとんど積雪がない阪和線沿線向けなので、ダクトを省略して、主電動機の冷却風を直接吸い込みにしていますが、京都や宇治は冬場にそこそこ雪が降りますが、大丈夫なんでしょうか。
京阪神緩行線から阪和線に転属してきた205系0番台6両編成4本の方は、今回の改正直前まで阪和線で運用されており、現在運用を離脱しているようです。おおさか東線の延伸用か、4両編成に縮めて奈良線の103系置換えのどちらかで奈良支所に転属してくるのではと思われます。
個人的には訪日外国人観光客の利用で、奈良線もかなり混雑してきているので、6両編成のまま奈良線で運用してもいいかもしれません。
ところで、奈良支所の103系のうち、写真のNS401編成の両端のクハ103-167・168は1970年以前に製造された非ユニットサッシの白熱灯1灯前照灯で製造された車両です。103系の非ユニットサッシ、シールドビーム前照灯車改造車の最後の車両になります。しかも国鉄時代に特別保全工事施工された最後の車両でもあります。
今回の改正でも運用離脱せず、もうしばらく走るようです。
撮影 宇治川鉄橋 2018年4月14日